【時制】アスペクトとは分かりやすく説明します

用語集
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アスペクトとは何か

アスペクトとは何か。平成29年度日本語教育能力検定試験に書かれています。

アスペクトとは、「出来事の直前・開始>,<継続・進展>,<直後・終結>などの具体的な局面」

平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B【アスペクトに関わる諸形式】より

簡単に言えば

アスペクトとは、出来事のどの段階を切り取るか。

今から始まるのか

今しているのか

今終わったのか

これらを表現するのがアスペクトです。

では、具体例を見ていきましょう。

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出来事の<直前・開始>というアスペクトを表す具体例

~るところ

「~る(動詞の辞書形)+ところ」は、直前というアスペクトを表します。

例)

今から猫カフェに行くところです。

~はじめる

「(動詞のマス形)+はじめる(始める)」は、開始というアスペクトを表します。

例)

ついにあの本を読みはじめた

~だす

「(動詞のマス形)+だす(出す)」は、開始というアスペクトを表します。

例)

授業中に学生が納豆巻きを食べだした

「はじめる」と「だす」の違いとは?

復習のお時間です。

「食べる+始める=食べはじめる」

「泣く+出す=泣きだす」

のように、2つ以上の単語が合体して1つの単語になったものを何と言いますか?

忘れてしまった方は下の記事をどうぞ。

正解です。

複合語です。

複合語の中でも「食べはじめる」や「泣きだす」のように動詞の複合のことを複合動詞といいます。

複合動詞とは、2つ以上の単語が合わさっている動詞のこと

複合動詞は中級ぐらいで勉強しますが、使い方が難しいものが多いです。

学生から以下のような質問がきたら、何と答えますか?

学生:先生、「~はじめる」と「~だす」は同じですか? 「走りはじめる」と「走りだす」は同じ意味ですか

考えてみてください。

私の考えは最後にあります。

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出来事の<継続・進展>というアスペクトを表す具体例

~ている

「(動詞のテ形)+ている」は、継続というアスペクトを表します。

例)

今、ご飯を食べています

~つつある

「(動詞のマス形)+つつある」は、進展というアスペクトを表します。

例)

桜が咲きつつあります

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出来事の<直後・終結>というアスペクトを表す具体例

~たところ

「(動詞のタ形)+ところ」は、直後というアスペクトを表します。

例)

今、ご飯を食べたところです。

~たばかり

「(動詞のタ形)+ばかり」は、直後というアスペクトを表します。

例)

さっき、起きたばかりです。

~おわる

「(動詞のマス形)+おわる(終わる)」は、終結というアスペクトを表します。

例)

この本は読み終わりましたか?

~きる

「(動詞のマス形)+きる(切る)」は、終結というアスペクトを表します。終結を表します。

例)

体力を使いきった

「おわる」と「きる」の違いとは?

開始のアスペクト表現がいろいろあるように

終結のアスペクト表現もいろいろあります。

学生:先生、「終わる」と「切る」は同じですか? 「食べおわる」と「食べきる」は同じ意味ですか?

さあ、あなたは何と答えますか。

私の考えは最後です。

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「~はじめる」と「~だす」の教え方

「~だす」がいい場面

「~だす」は意外なときに使います。

具体例)

・赤ちゃんが急に泣きだした

・雨が突然降りだした

「~だす」は、「急に」や「突然」などの副詞と一緒に使うことが多いです。

「~はじめる」がいい場面

「~はじめる」は意外じゃないときに使います。

具体例)

・では、そろそろ食べはじめましょう

・私は30歳を過ぎてから、お酒を飲みはじめました

似ている文型の違いがよくわかる本

「~だす」と「~はじめる」の違い

おもしろいですよね。

このように日本語には意味が似ている言葉がたくさんあります。

学習者は困りますが

質問される日本語教師も大変です。

そんなときにお勧めの本がこちら

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この本は、似ている文型を2つずつとりあげて、意味が同じところ、違うところを豊富な例文を使って比較していきます。練習問題もついているので、学生がちゃんと理解しているか確認することもできます。今ならキンドル版も出ており、かなりお勧めの本です。

「~はじめる」と「~だす」の違いは『くらべてわかる中級日本語表現文型ドリル』のp20にあります。

なお、「~はじめる」と「~だす」の違いは『中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック』p91~や『現代日本語文法③』p36~も参考にどうぞ。

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「~きる」と「~おわる」の教え方

「~きる」がいい場面

「~きる」は、一定の容量があるものを全て~する、残さず~する、と言いたいときに使います。

具体例)

・フルマラソンを走りきった

使いきってから新しいのを買ってください。

「~おわる」がいい場面

「~おわる」は、その動作の終了を強調したいときに使います。

具体例)

食べおわったら、お皿を片付けてください。

片付けおわったら、ゲームしましょう。

「~きる」と「~おわる」の違いは『中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック』p94~にも記載があります。

「~きる」と「~ぬく」の違いは『くらべてわかる中級日本語表現文型ドリル』p46にあります。

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アスペクトが出題された日本語教育能力検定試験の過去問

・平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B

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