橋渡し推論と精緻化推論の違いとは【分かりやすく説明します】

公認日本語教師の試験対策

推論とは、文章(の一部あるいは全体)を理解するために、そこに明示的に表現されていない情報を、そこに明示的に表現されている情報に基づいて、文脈表現や知識を利用して捜す、あるいは導く思考の働きとその過程、成果をさす。

大隅敦子「第 2 言語学習者はテキストをどう読んでいるか」より

橋渡し推論と精緻化推論の違いを簡単に言うと

橋渡し推論読む途中で行います。オンライン推論

精緻化推論読んだ後に行います。オフライン推論

推論に関してまず分類されるのは、「橋渡し推論(bridging inferences)」と「精緻化推論(elaborative inferences)」の二分類である。前者はテキストを理解するために必ず行われなければならない、情報をつなぐ推論であり、オンラインで(読解中に)行われる。後者はテキスト内容をさらに豊かにする、あるいは精緻化する推論であり、オフラインで(読後に)行われると見られる。必要不可欠なプロセスではないので、読み手によっては必ずしも生成されないことがある。

大隅敦子「第 2 言語学習者はテキストをどう読んでいるか」より
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橋渡し推論とは?

橋渡し推論とは、文(語)と文(語)を結び付けて書かれていないことを推測。まとまった文章の理解に不可欠な推論。

橋渡し推論は読解中に行います。

橋渡し推論は、文章を理解する時。読解中なのでオンライン推論

橋渡し推論の特徴

・未知語の意味の推測に関わる。

・文章の大意を把握するのに不可欠である。

(以上は 令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10問2より)

・現在処理している部分とすでに処理した部分との整合性を高める推論

・文と文の間の意味情報の隙間を埋めるための推論

・一連の出来事や行動が部分的に省略されたところで多く生じる推論

(以上は平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問3)

橋渡し推論の具体例

・「花瓶を落としたので弁償することになった」という文を読んで、花瓶は割れたと理解する(平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問2)。

・「友人がプレゼントをくれた。それは、ずっと読みたいと思っていた本だった」という文を読んで、「それ」が「友人がくれたプレゼント」だということを推論する。

・「明日はテストがある。今日は徹夜だ」という文を読んで、テストの勉強をするために徹夜をすることを推論する。

・「先週京都へ行った。新幹線はがらがらだった」という文を読んで、書き手が新幹線に乗って京都に行ったことを推論する。

(以上は平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問2)

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精緻化推論とは?

精緻化推論とは、文章から読み取り理解した内容を、すでにある知識と関連付けて、より理解を深めていく推論。

精緻化推論は読解後に行います。

読んだ後に具体的なイメージを想像したり、その後の展開を予測したりします。

精緻化推論は、文章を理解した後。読解後なのでオフライン推論

精緻化推論の特徴

・文章のこの後の展開を予測する(令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10問2)

・文章に書かれている抽象的な内容を具体的にする推論(平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問3)

精緻化推論の具体例

・「獣の通る道しかない山奥にレストランが一軒ありました」という文を読んで、レストランが異様な場所にあると理解する。

・「二人は婚姻届にサインをした」という結末の文を読んで、二人の結婚した姿を想像する。

・「狐はその美しい姫に恋をし、透き通った肌の金髪の王子に化けました」という文を読んで、その王子の顔や髪型、服装、声を想像する。

(以上は平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問2)。

・「マンションの部屋から富士山が見えた。きれいだった」という文を読んで、書き手は高層階に住んでいるのだろうということを推論する(平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題11問2)。

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他の分類をする学者さんもいます。

読解中の推論(オンライン推論)と読解後の推論(オフライン推論)という分類ではなく、他の分類方法をする学者さんもいます。

詳しくは、 大隅敦子「第 2 言語学習者はテキストをどう読んでいるか」をどうぞ。

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橋渡し推論と精緻化推論が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10問2【精緻化推論に関する記述】

平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問2【橋渡し推論】

平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問2【橋渡し推論の例として不適当なもの】

平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問3【橋渡し推論の説明として不適当なもの】

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