現代日本語文法は日本語の文法を網羅した本としては最高の本です。
だから皆さんに読んでほしい!
ですが難しすぎて挫折する人ばかりでした。
そこでこのブログでは初めて勉強する人でも現代日本語文法が読めるように
できるだけ日常的な言葉を使って分かりやすさを優先した解説をしています。
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本日の問題
【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。
(26)【「言語文脈指示」の種類】
1 昔、ここには無名の作家が下宿していた。この作家がのちに大小説家になった
2 昔、ここで1本の芝居が上演された。その作者がのちに大小説家になった
3 昨日夕方、ここに女の人が立っていた。この女の人は大きなスーツケースを持っていた
4 昨日、猫カフェに行った。その店の店長に今日会った
5 いつも夏休みに行く国がある。その国が昨日消滅した
第1章談話の概観 第1節【談話とは】
1. 言語単位としての談話
p3
談話とは、人がさまざまな言語表現を用いて、コミュニケーション活動を行うこと。
2. 談話のまとまり
p4~
○談話の例
今日は雨だった。もともとは公園に行く予定だったが中止にして家で勉強した。雨の音を聞きながらの勉強も心地よい。
×談話じゃない例
今日は雨だった。アメリカの大統領は以前トランプ大統領だった。フェラーリは赤い。
3. 文脈
p6~
文脈とは、談話の理解に必要な情報
・(おにぎりをさして)これを食べてもいいですか。
・(サンドウィッチをさして)これを食べてもいいですか。
「これ」が何を指しているのかは文脈がないと分からない。
4. 談話のさまざまな種類
p8~
対話とは、話し手(書き手)の交代が想定されているタイプの談話
対話の例)日常会話
モノローグとは、話し手(書き手)と聞き手(読み手)の交代がないタイプの談話
モノローグの例)講義
独話とは、自身以外の聞き手(読み手)が想定されていないタイプの談話
独話の例)日記
第1章談話の概観 第2節【談話を形づくる言語的要素】
省略
第2章指示 第1節【指示とは】
1. 指示の規定
p15~
指示とは、談話に登場する人やもの、場所は時間、あるいは抽象的な概念などを言語表現で指し示すこと。
2. 指示と文脈
p15~
指示は、どの文脈を参照すれば指示対象が特定できるかによって①現場文脈指示②言語文脈指示②記憶文脈指示に分かれる。
3. 指示に用いられる言語表現
p18~
「名詞」「人称代名詞」「指示表現」「省略」が指示に用いられる。
第2章指示 第2節【指示表現】
1. 指示表現と疑問語
p21
指示表現は、形から、コ系、ソ系、ア系に分けられる。「ど」で始める形式は指示表現ではなく疑問語として使われる。
2. 指示表現の種類
p21~
本で確認
第2章指示 第3節【指示表現の現場文脈指示】
1. 現場文脈指示とは
p26~
現場文脈指示とは、談話の現場文脈が参照されて行われる指示。
指示対象は発話の現場
2. 対立型の現場文脈指示
p27~
対立型の現場文脈指示とは、話し手と聞き手がテーブルに向かい合って話をしているときの指示
A:その漫画ちょっと見せて?
B:この漫画?
A:うん。
3. 融合型の現場文脈指示
p28~
融合型の現場文脈指示とは、話し手と聞き手が同じ車に乗って移動しているときの指示
A:ねえ、この道を右かな。
B:え、この道じゃなくて次の道じゃない?
A:そっか。
4. 所有意識と対立型・融合型
p29
本で例文を確認
5. 発話を基準とした時を指示する表現
p29
省略
第2章指示 第4節【指示表現の言語文脈指示】
1. 言語文脈指示とは
p30~
言語文脈指示とは、言語文脈が参照されて行われる指示。
指示対象は、談話の中の言語化された部分。
言語文脈指示では、コ系とソ系が使われる。ア系は使わない。
2. 前方照応と後方照応
p30~
前方照応とは、指示対象が指示表現よりも前にあること。
後方照応とは、指示対象が指示表現よりも後ろにあること。
3. 指定指示と代行指示
p31~
指定指示とは、「この」+名詞あるいは「その」+名詞で指示対象を指すこと。
代行指示とは、「その」だけで指示対象を指すこと。
4. ソ系とコ系の使い分け
p32~
本で確認
第2章指示 第5節【指示表現の記憶文脈指示】
1. 記憶文脈指示とは
p34~
記憶文脈指示とは、話し手や聞き手の長期の記憶が参照されて行われる指示。
指示対象は話し手や聞き手の長期の記憶の中。
2. 記憶文脈指示が用いられる場合
p35
例を本で確認
第2章指示 第6節【名詞による指示】
p36~
例を本で確認
第2章指示 第7節【その他の指示の表現】
1. 人称代名詞による指示
p38
「私」「あなた」「彼」「彼女」
2. 1人称の人称代名詞
p38~
「私」
3. 2人称の人称代名詞
p39~
「あなた」
4. 3人称の人称代名詞
p40~
「彼」「彼女」
5. 再帰代名詞
p40~
「自分」
6. その他の指示表現
p41~
省略
第2章指示 第8節【省略】
1. 省略とは
p43~
省略とは、文法上必要とされる格成分を発話から省くことで指示が行われること
2. 義務的省略
p44~
本で確認
3. 言語文脈による省略
p46~
本で確認
本日の問題
【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。
(26)【「言語文脈指示」の種類】p31
1 昔、ここには無名の作家が下宿していた。この作家がのちに大小説家になった…指定指示
「無名の作家」=「この作者」なので指定指示
2 昔、ここで1本の芝居が上演された。その作者がのちに大小説家になった…代行指示
「芝居」=「その作者」ではなく
「芝居の」=「その」なので代行指示
3 昨日夕方、ここに女の人が立っていた。この女の人は大きなスーツケースを持っていた…指定指示
「女の人」=「この女の人」なので指定指示
4 昨日、猫カフェに行った。その店の店長に今日会った…指定指示
「猫カフェ」=「その店」なので指定指示
5 いつも夏休みに行く国がある。その国が昨日消滅した…指定指示
「いつも夏休みに行く国」=「その国」なので指定指示
2のみ代行指示
よって、答えは2