【過去問解説】平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題8【2018】OPIの考えに基づいたタスク先行型の会話指導法

H30試験Ⅲ
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タスク先行型については下記記事参照

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問1の解き方【OPIとは】

OPIについては下記記事参照

選択肢1

OPIはACTFEL(アクトフル)が開発した「汎言語的な口頭能力測定試験」です。

ACTFLは1967年、語学指導法に関する研究を目的として、100年以上の歴史を持つ“the Modern Language Association”(MLA)によって設立された。現在ACTFLは、すべての教育機関における、すべての外国語を対象とした、米国で唯一の総合的な語学教育研究機関であり、会員数は約1万人、扱っている言語数は、第二言語・外国語としての英語、日本語、アラビア語、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ロシア語等30を超えている。

http://www.opi.jp/shiryo/jugyoni/j_01.html

選択肢2

レベル判定は、ACTFLが作ったガイドライン(『ACTFL言語運用能力基準―話技能』〔1999年改訂版〕)という基準に沿って、全体的・総合的に判断します。そして、この基準は、「機能・タスク」「場面・内容」「テキストの型」「正確さ」という4つの要素から成り立っています。

http://www.opi.jp/nyumon/nani.html

「表現」や「語彙の正確さ」を重視しているわけではありません。

×

選択肢3

OPIでは、「超級、上級、中級、初級」という4つの主要レベルがあります。上級、中級、初級はさらに細かく「‐上・‐中・‐下」の3つの下位レベルに分かれています。つまり、「超級、上級‐上、上級‐中、上級‐下、中級‐上、中級‐中、中級‐下、初級‐上、初級‐中、初級‐下」の10レベルに判定されます。

http://www.opi.jp/nyumon/nani.html

判定するレベルは10レベルです。

×

選択肢4

プレゼンテーションは行いません。

×

よって、答えは1

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問2の解き方【ロールプレイの活動で教師が行うこと】

選択肢1

「表現の導入」に先行して、発表(ロールプレイ)を行うのは、言語能力の限界に気づかせるためです。

ロールプレイ中は指摘しません。

「表現の導入」の際にフィードバックします。

×

選択肢2

そのとおりです。

選択肢3

ロールプレイを中断しません。

×

選択肢4

例えば、AさんとBさんがロールプレイしていて、ロールプレイの途中にAさんが行き詰った場合、Cさんに交替させるということはありません。

新しい「表現の導入」を行う前に、自分の限界を知ってもらうためのロールプレイなので、学習者が行き詰るのは想定通りです。

その後は、新しい「表現の導入」をします。

×

よって、答えは2

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問3の解き方【表現の練習よりも先にロールプレイをさせる目的】

問2で述べたように、自らの言語能力の限界に気づいてもらうために「表現の練習よりも先にロールプレイをさせます。

よって、答えは4

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問4の解き方【ロールプレイの難易度】

これは難しいです。特にまだ日本語教師じゃない人にとっては。

中級から上級と言うことは、「中級-上」から「上級-下」ですね。

以下、ACTFL言語運用能力基準を引用します。

「上級-下」の話者は、さまざまなコミュニケーション・タスクを扱うことができるが、時々多少もたついた話し方になることがある。彼らは、インフォーマルな状況ならほとんどの場合、フォーマルな状況なら限られた場合に、学校、家庭、余暇活動に関係した内容について、活発に会話に参加する。また、程度は少ないが、仕事や最近の出来事、個人的、一般的な関心事について、または自分に関連のあることについても参加することがある。

http://www.opi.jp/shiryo/actfl_guide.html

「中級-上」の話者は、中級レベルとされているごくありふれたタスクや社会的な状況では、楽に自信を持って談話を交わすことができる。彼らは、職場、学校、余暇活動、特定の関心事や専門的分野に関係した基本的な情報のやりとりが要求されるような、さほど複雑でないタスクや社会的状況なら多くの場合、うまく対応できる。ただ、明らかに口ごもったり、間違ったりすることもある。

http://www.opi.jp/shiryo/actfl_guide.html

選択肢1

フォーマルな場面です。

上級の下は、フォーマルな状況では

①限られた場合に

②学校、家庭、余暇活動に関係した内容について

活発に会話に参加できます。

「新しく開発した筆記用具を店に置いてもらうため担当者と電話で交渉する」のは 「学校、家庭、余暇活動に関係した内容」 ではありません。

中級から上級に向かう学習者には難しすぎます。

×

選択肢2

フォーマルな場面です。

上級の下レベルの人がフォーマルな場面に対応できるのは、「自分に関連のある」限られた場合です。

選択肢2のような場面が「自分に関連のある」学習者は少ないと思います。

特に、「先生」役をやる学習者は、自分に関連がないので非常に難しいでしょう。

先生役はできないと思います。

×

選択肢3

スピーチは一方的に話すのでロールプレイには向きません。

×

選択肢4

カジュアルな場面です。

上の下レベルは「インフォーマルな状況ならほとんどの場合」活発に会話に参加できます。

よって、答えは4

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問5の解き方【OPIの考え方に基づいたタスク先行型の会話指導を行う際の留意点】

選択肢1

自然に出現した表現を練習するのではなく、言えなかった表現を練習します。それが「表現の導入」です。もちろん教師は事前に準備します。

×

選択肢2

既習の語と表現でタスクを遂行できるようなトピックを扱ってしまったら、その後の「表現の導入」が不要になってしまいます。

タスク先行型の会話練習では、 既習の語と表現でタスクを遂行できないようなトピックを扱います。

×

選択肢3

ロールプレイと行う際は、どんな役なのかを示したロールカードを見ます。

ロールカードの例:あなたは朝の会社のエレベーターで上司と二人きりになりました。上司は野球が好きです。一分間雑談してください。

このようにロールの説明があるのですが、読解の授業ではないのでロールカードを母語で書いても問題ありません。むしろ誤解がないように母語で書いた方がいい場合もあります。学習者のレベルが低い時など。

選択肢4

Yes/No疑問文を中心としたやり取りの場合、答える側が単調で練習になりません。自分の言語能力の限界にも気づくことができません。

×

よって、答えは3

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