【過去問解説】令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12【2021】言語政策

R3試験Ⅰ
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令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12の正答率

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言語計画の3分類

言語計画とは、国家などの共同体による言語に関する具体的な計画

席次計画→②実体計画→③普及計画の3つに分類される。

席次計画

席次計画とは、使用されている複数の言語の中から贔屓する言語を選ぶこと。公の場で使う特別な地位の言語を選ぶこと。

実体計画

実体計画とは、席次計画で選ばれた言語が立派な言語になれるように環境を整えること。その言語の文法書を作ったり、表記法を決めたり。

普及計画

普及計画とは、選ばれた言語をどうやってみんなに使ってもらうか。学校で習わせたり。

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問1の解き方【席次計画】正答率55.5

席次計画とは、言語の順位付けを行い、主要な言語に特定の地位を与えること

よって、答えは2

詳しくは日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第5版p392参照

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問2の解き方【普及計画】正答率86.7

言語計画は、①席次計画②実態計画③普及計画の3つの段階で進めます。

よって、答えは1

普及計画とは、決めた言語を国民にどのように習得させ普及させていくかを決めること。

詳しくは日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第5版p392参照

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問3の解き方【日本語で初めて導入された文字は?】正答率42.2

選択肢1

日本で初めて導入された文字は漢字。

単音文字とは、アルファベットなど音素がそのまま表記される文字のこと。漢字は単音文字ではない。また、ひらながも「ん」などは1文字で複数の音素を表すので単音文字ではない。

選択肢2

仏教を伝えるために漢字が導入されました。

選択肢3

当時の上位文化である中国大陸の文字が導入されました。○

選択肢4

くさび型文字はメソポタミア文明です。


令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11にも出てきたように

「日本語は、古くから中国語の影響を大きく受け、漢語を取り入れて」きました。

昔の日本には文字がありませんでしたが、当時の上位文化であった中国から「漢字」が導入されました。

日本に現存する最古の和歌集である万葉集の和歌は全て漢字で書かれています。

万葉集では、日本語の音を漢字で表記する万葉仮名も使われました。

万葉仮名は平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題3問3選択肢1でも登場しています。

昔の日本には「平仮名(ひらがな)」や「片仮名(カタカナ)」はありませんでした。そこに中国から漢字が入ってきました。漢字、かっけえ! 超クール! そうだ! このイケてる中国の漢字で日本語を書こう! さあ、みなさんもご一緒に。 「よろしく」を平仮名も片仮名もアルファベットも使わずに書いてみてください。

「夜露死苦」

ええ。暴走族さんが大好きな当て字です。暴走族さんの発想は昔の日本人と同じだったんですね。「万葉仮名」ときたら「はいはい、暴走族が好きなやつね」と覚えてください。この「万葉仮名」から「平仮名」と「片仮名」が生まれました。

平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題3問3の解説より

万葉仮名の例)阿米(アメ)、夏樫(ナツカシ)、八間跡(ヤマト)

よって、答えは3

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今回の問題は正答率が悪かったです。歴史が苦手な方が多いのかもしれません。

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問4の解き方【近代化のための日本語】正答率65.6

近代化のための日本語は日本語教育能力検定試験でよく問われています。

今回の問題ができなかった人は令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問4などの過去問をしっかり理解しておいてください。

選択肢1

令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問4選択肢1でも登場した南部義籌(よしかず)さんは明治2年(1869)にローマ字で書こうと言いました。

選択肢2

逆です。日本語は地域によって差が大きすぎて言葉が通じないほどだったので東京方言で統一しようとしました。

明治時代以降、政府は中央集権国家形成の中で、全国共通の言葉を普及させることに力を入れていた。その過程で、特に学校教育において、地域方言は排除するべきものとされた。

平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題14より

沖縄や鹿児島、東北地方の学校では方言を使った者に「方言札」を首に掛けて、辱めました。

方言札(罰札)は令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題15問4選択肢4でも登場していますので見ておいてください。

よって、答えは2

選択肢3

書き言葉と話し言葉が全然違っていたので、書き言葉と話し言葉を近づけようとしました。言文一致運動。

選択肢4

教養を得た東京人の口語を標準語にしようとしました。

近代化のための日本語が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題14

令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問4【言文一致体の成立】

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問5の解き方【2010年に改定された常用漢字表】正答率64.2

2010年(平成22年)に改訂された常用漢字表に答えがあります。

常用漢字表はときどき出題されます。

選択肢1

常用漢字表では,個々の漢字の字体(文字の骨組み)を,明朝体のうちの一種を例に用いて示した。このことは,これによって筆写の楷書における書き方の習慣を改めようとするものではない。字体としては同じであっても,1,2に示すように明朝体の字形と筆写の楷書の字形との間には,いろいろな点で違いがある。それらは,印刷文字と手書き文字におけるそれぞれの習慣の相違に基づく表現の差と見るべきものである。  さらに,印刷文字と手書き文字におけるそれぞれの習慣の相違に基づく表現の差は, 3に示すように,字体(文字の骨組み)の違いに及ぶ場合もある。

常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)第2明朝体と筆写の楷書との関係について
常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)より

常用漢字表では上のように字形の違いはそのまま示しており、教科書体に統一しようとはしていません。

選択肢2

改定前は固有名詞全般が対象外となっていましたが、新しい常用漢字表では、特に公共性の高い都道府県名に用いる漢字が追加されました。

参考

選択肢3

常用漢字表が、2010年(平成22年)に29年ぶりに改定され、漢字の数が1,945字から2,136字に増えました。

選択肢4

あまり使われなくなった5つの漢字が削除されました。

勺(シャク)

錘(スイ・つむ)

銑(セン)

脹(チョウ)

匁(もんめ)

常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)より

上記の通り、亞は削除されていません。

よって、答えは2

常用漢字表(当用漢字表)が登場した日本語教育能力検定試験の過去問

平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題3

平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3D

平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題12問3【当用漢字表】

平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13

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令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12問題13の重要ポイントを動画で解説

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