バイリンガルとは、二言語を使用できる人のこと。
二言語を同程度に習得していなくてもバイリンガルと呼ぶことができます(平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題12問1)。
バイリンガルと似た言葉にモノリンガルとマルチリンガルがあります。
モノリンガルとは、一言語を使用できる人のこと
マルチリンガルとは、三言語以上を使用できる人のこと
バイリンガルは、4技能の観点から、①バイリテラル②会話型バイリンガル③聴解型バイリンガルに分けられます。
また、言語熟達度の観点から①均衡バイリンガル②偏重バイリンガル③限定的バイリンガルにわけられます。
バイリテラルとは?
バイリテラルとは、2つの言語で「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能ができることです。
バイリテラルは、読み書き型バイリンガルともいいます。
「話す」「聞く」もできるのに「読み書き型バイリンガル」いうので要注意。
・ バイリテラルとは、「聞く」「読む」も「話す」「書く」も二言語ともに十分に発達していること(令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問2)
・バイリテラルとは、聞く・話す・読む・書く力が両言語で発達していること(平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10問3)
会話型バイリンガルとは?
会話型バイリンガルとは、「聞く」「話す」は2つの言語でできるが、「読む」「書く」は1つの言語しかできないこと。
聴解型バイリンガルとは?
聴解型バイリンガルとは、「聞く」は2つの言語でできるが、他は1つの言語でしかできないこと。
ダブル・リミテッド・バイリンガルとは?
ダブルリミテッドとは、どちらの言語も年齢相応のレベルに達していない状態のこと(平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問3)
ダブルリミテッド(バイリンガル)は、限定的バイリンガルとも言います。
英語では、double limited bilingual
昔は、ダブルリミテッドのことをセミリンガルと言っていましたが、差別的な用語であるとして最近は使われなくなりました。
ほかに覚えておくべき言葉として、ドミナント・バイリンガル(偏重バイリンガル)とバランス・バイリンガル(均衡バイリンガル)があります。
ドミナント・バイリンガルとは?
ドミナントバイリンガルとは、2つの言語能力に差があり、一方の言語のみが年相応のレベル。
ドミナントバイリンガルは、偏重バイリンガルとも言います。
偏重の読み方は「へんちょう」
英語では、dominant bilingual
バランス・バイリンガルとは?
バランスバイリンガルとは、どちらの言語も年齢相応のレベル。
バランスバイリンガルは、均衡バイリンガルとも言います。
均衡の読み方は「きんこう」
英語では、balanced bilingual
ダブルリミテッドバイリンガルとドミナントバイリンガルとバランスバイリンガルの具体例
YouTubeで日本とイギリスのミックス(ハーフ)の三兄弟がそれぞれのチャンネルを持っているのですが
長男:PDRさん
次男:ミカエル
どこかの動画(確かミカエルさんのチャンネル。忘れてしまったのでもし見つけられた方いましたら私のYouTubeのコメント欄から教えていただけると幸いです)で、
PDRさんがバランス・バイリンガル(日本語も英語もペラペラ)
ミカエルさんがドミナント・バイリンガル(日本語はペラペラだが英語はそこそこ)
ダンテさんがダブル・リミテッド(日本語も英語も上手じゃない)
と言っていました。
一緒に成長してきた兄弟でも、日本に住んでいた年齢、イギリスに住んでいた年齢によって、こうも変わってしまうんですね。かわいそうですが。
PDRさんがダンテさんの英語をチェックする動画があるのでよかったら見てみてください。机の上で勉強した知識を現実に結びつけると理解が深まると思います。
バイリンガルが出題された日本語教育能力検定試験の過去問
・令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題9問2【バイリテラルの説明】
・平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問3【ダブル・リミテッドの状態の説明】
・平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10問3【バイリンガルの一種であるバイリテラルの説明】
・平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題12問1【二言語話者(バイリンガル)に関する記述】選択肢1【二言語を同程度に習得していなくてもバイリンガルと呼ぶことができる】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13問1選択肢1【セミリンガル化】選択肢2【モノリンガル化】