ナチュラル・アプローチとは、聴解優先の教授法です。幼児のようにナチュラルにたくさん聞いていればそのうち話せるようになりますよね? ということ。
実際に私はタイのタイ語学校でこのやり方の授業を受けたことがあります。
テキストを使わず学習者が話すこともせず、教師二人が教室の前に立って、ただひたすらコントのようなことをやっていました。大げさなジェスチャーつきなのでだんだんとわかってくるのです。
英語では、Natural Approach
ナチュラル・アプローチでは、理解可能な言語インプットを大量に与えることで、言語能力の習得を目指します(平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10問1)。
クラッシェンのモニターモデル(インプット仮説)が理論的基盤です。
ナチュラルアプローチの特徴・指導方針
・ナチュラル・アプローチではトピックシラバス(話題シラバス)がよく使われる(平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4問1)。
・教材には教科書だけではなく実生活で使う身近な素材も取り入れる(令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4問4)。
・産出より理解を優先する。
・言語形式より内容を重視する。
・学習者の情意面に配慮する(以上の3つは平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題9問1より)。
ナチュラルアプローチの短所
・アウトプットするまでに時間がかかる。
ナチュラル・アプローチとナチュラル・メソッドの違いとは?
名前が似ている教授法にナチュラル・メソッドがあります。
どちらも「ナチュラル」という名前の通り、幼児が母語習得するときのように自然に第二言語を習得してほしいという気持ちは同じです。
ナチュラル・アプローチの場合は、聞くことを優先し、話すことを要求しないというのがナチュラル・メソッドとの違いです。
ただし、人によっては同じような意味で「ナチュラルアプローチ」と「ナチュラルメソッド」を使っているので気をつけてください。
分けて考えている人と同じように考えている人がいます。
ナチュラルアプローチが出題された日本語教育能力検定試験の過去問
・令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4問4【ナチュラル・アプローチに基づいた授業に関する記述】
・平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10問1【ナチュラル・アプローチん関する記述】
・平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10問1選択肢2【ナチュラル・アプローチ(The Natural Approach)】
・平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題6問1選択肢1【ナチュラル・アプローチ】
・平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4問1【ナチュラル・アプローチで用いられるシラバスは?】
・平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4問5選択肢1【ナチュラル・アプローチ】
・平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題9問1【「ナチュラル・アプローチ」の指導方針】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4問3【ナチュラル・アプローチの理論的背景となったモニターモデルの仮説として不適当なもの】
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