「ピコ太郎でいくべきだ」の「べきだ」がモダリティです。
モダリティー(ムード)とは何かを学びます。
モダリティ(ムード)は日本語教育能力検定試験超重要ワードの1つです。
モダリティと命題
文(発話)は、客観的な部分(命題)と主観的な部分(モダリティ)の2つからなっています。
例)忘年会でピコ太郎をやらされるに違いない
→忘年会でピコ太郎をやらされる(命題)+に違いない(モダリティ)
命題の意味
命題とは、文の客観的な部分です。文の基本。
その文が表現したいことの内容が命題です。
例)窓が開いているに違いない。
「窓が開いている」が命題です。
モダリティの意味
モダリティとは、文の主観的な部分です。文の意味内容(命題)対する話し手の認識や判断を示す表現です。
ムードともいいます。
例)窓が開いているに違いない
「違いない」がモダリティ(ムード)です。
モダリティの種類
モダリティは例えば、対事的モダリティと対人的モダリティに分けることができます。学者によって分け方が異なります。対事的モダリティと対人的モダリティに分けるパターンは平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A(3)で出題されました。
対事的モダリティの意味
対事的モダリティとは、 事柄に対する認識や判断を示す表現です。
対事的モダリティの例)ピコ太郎をやるといい
「といい」という「勧め」のモダリティは、「ピコ太郎をやる」という事柄に対する認識を表しているので、対事的モダリティです。
対人的モダリティの意味
対人的モダリティとは、聞き手に対する表現です。
対人的モダリティの例)ピコ太郎をやるといいよ
「よ」という対人的モダリティを使うことで、「ピコ太郎をやるといい」という自分の認識を強めて相手に伝えています。
対人的モダリティの代表例は終助詞です。終助詞は複数つけることもできます。
複数の終助詞の例)PPAP、やるよね?
「よ」+「ね」→「よね」
終助詞の組み合わせに関する問題は平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A(4)で出題されていますので、そちらも要チェックです。
対事的モダリティと対人的モダリティの関係
対事的モダリティ→対人的モダリティの順番で述語につながります。
例)パーフェクトヒューマンでもいいよ
→でもいい(対事的モダリティ)+よ(対人的モダリティ)
モダリティ(ムード)が出題された日本語教育能力検定試験の過去問
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3D【モダリティ】2019
・平成24年度(2012年)日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3C【形式名詞】は、モダリティ表現のうち形式名詞を含むものを選ぶ問題。
・平成25年度(2013年)日本語教育能力検定試験Ⅲ問題2問2は、不確かさを表すモダリティ表現を選ぶ問題。
・平成25年度(2013年)日本語教育能力検定試験Ⅲ問題9問2は、モダリティ表現に当てはまらないものを選ぶ問題。
・平成26年度(2014年)日本語教育能力検定試験Ⅲ問題2問2では、選択肢の一つとして「ムードに関わる表現」という言葉。
・平成27年度(2015年)日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Aは、ヴォイス・アスペクト・テンス・モダリティという4つの文法カテゴリーとモダリティの種類に関する問題。
・平成27年度(2015年)日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Cは、副詞的な要素の語順として、モダリティ、テンス、アスペクトの順番を選ぶ問題。
・平成27年度(2015年)日本語教育能力検定試験Ⅲ問題2は、初級の学習項目に現れるモダリティ形式「推量・義務・必要・勧め・許可」に関する問題。
モダリティに関する問題は頻繁に登場しています。特に2015年(平成27年度)の日本語教育能力検定試験はモダリティ祭りだよ!日本語教育能力検定試験では同じキーワードを同じ年の試験で何度も訊いてくることがあります。そのキーワードを理解していないと全問不正解になってしまう恐れがあるので、なるべく過去問を多く解いて本試験好みのワードを頭にインプットする必要があります。
2016年12月21日、機能文法の枠組みで日本語モダリティを徹底的に分析した本が発売されました。