現代日本語文法③第6部【テンス】を分かりやすく解説

試験対策のおすすめ本
LINE友だち募集中!
はまをフォローする

現代日本語文法は日本語の文法を網羅した本としては最高の本です。

だから皆さんに読んでほしい!

ですが難しすぎて挫折する人ばかりでした。

そこでこのブログでは初めて勉強する人でも現代日本語文法が読めるように

できるだけ日常的な言葉を使って分かりやすさを優先した解説をしています。

現代日本語文法をお持ちでない方はまず下記リンクから購入して次にお進みください。

created by Rinker
¥3,080(2024/03/18 23:47:42時点 Amazon調べ-詳細)
スポンサーリンク
LINE友だち募集中!
はまをフォローする
  1. ハマが解説した講義動画はここからダウンロードして見ることができます。
  2. 本日の問題
  3. 第6部テンス 第1章テンスの概観 第1節【テンスとは】
    1. 1. テンスの規定
    2. 2. テンス形式
  4. 第6部テンス 第1章テンスの概観 第2節【テンスがない場合】
    1. 1. テンスがない2つの場合
    2. 2. テンス形式をもたない場合
    3. 3. 非過去形がテンス的意味をもたない場合
  5. 第6部テンス 第2章主文末における非過去形・過去形 第1節【非過去形の基本的な意味・用法】
    1. 1. 述語の種類と非過去形の意味
        1. ★過去問にチャレンジ
    2. 2. 動き動詞の非過去形
      1. 2.1 未来を表す場合
      2. 2.2 話し手の現在の思考・感覚を表す場合
      3. 2.3 現在の習慣を表す場合
    3. 3. 状態性述語の非過去形
  6. 第6部テンス 第2章主文末における非過去形・過去形 第2節【非過去形の特殊な意味・用法】
    1. 1. 非過去形のさまざまな用法
    2. 2. 性質や能力
    3. 3. 発話現場での観察
    4. 4. 発話時の行為遂行
    5. 5. 命令
    6. 6. 小説などの地の文での表現効果
  7. 第6部テンス 第2章主文末における非過去形・過去形 第3節【過去形の基本的な意味・用法】
    1. 1. 述語の種類と過去形の意味
    2. 2. 動詞述語の場合
      1. 2.1 現在から切り離された過去の事態
      2. 2.2 現在につながる過去の事態
          1. [過去の状態が現在まで続いている場合]
          2. [過去の動きが現在まで続いている場合]
          3. [過去の動きの結果が現在まで続いている場合]
    3. 3. 形容詞述語・名詞述語の場合
      1. 3.1 過去の状態・性質
      2. 3.2 過去における認識・評価
      3. 3.3 現在につながる主体の過去の状態・性質
  8. 第6部テンス 第2章主文末における非過去形・過去形 第4節【過去形の特殊な意味・用法】
    1. 1. 過去形のさまざまな用法
    2. 2. 発見
    3. 3. 想起
    4. 4. 反事実
          1. 事実に反する事態を仮定する条件節の主文
          2. 評価のモダリティの形式が過去形
          3. 「ところだ」が過去形
    5. 5. 差し迫った要求
  9. 第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第1節【従属節の種類と非過去形・過去形】
    1. 1. 主文のテンスと従属節のテンス
      1. 1.1 主文のテンスと従属節のテンスの共通点と相違点
      2. 1.2 主文事態の成立時を基準とするテンスの意味解釈のあいまいさ
    2. 2. 従属節の種類とテンス形式の対立
      1. 2.1 従属節におけるテンスの有無
      2. 2.2 従属節の種類とテンスの関係
          1. [補足節]
          2. [名詞修飾節]
          3. [条件節]
          4. [時間節]
          5. [目的節]
          6. [様態節]
          7. [等位節・並列節]
  10. 第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第2節【補足節内の非過去形・過去形】
    1. 1.補足節のテンス
    2. 2. 名詞節のテンス
      1. 2.1 名詞節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 2.2 名詞節内の過去形
    3. 3. 引用節のテンス
      1. 3.1「〜と」節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 3.2「〜と」節内の過去形
      3. 3.3「〜ように」節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      4. 3.4「〜ように」節内の過去形
    4. 4. 疑問節のテンス
      1. 4.1 疑問節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 4.2 疑問節内の過去形
  11. 第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第3節【名詞修飾節内の非過去形・過去形】
    1. 1. 名詞修飾節のテンス
  12. 第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第4節【順接条件節内の非過去形・過去形】
    1. 1. 順接条件節のテンス
    2. 2.「〜なら」節内のテンス
      1. 2.1「〜なら」節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 2.2「〜なら」節内の過去形
      3. 2.3 反事実的な主文を導く「〜なら」節内の非過去形・過去形
  13. 第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第5節【原因・理由節内の非過去形・過去形】
    1. 1. 原因・理由節のテンス
    2. 2. 原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節のテンス
      1. 2.1 原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 2.2 原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節内の過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
    3. 3. 根拠を表す「〜ので」節・「〜から」節のテンス
      1. 3.1 根拠を表す「〜ので」節・「〜から」節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 3.2 根拠を表す「〜ので」節・「〜から」節内の過去形
  14. 第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第6節【逆説条件節内の非過去形・過去形】
    1. 1. 逆接条件節のテンス
    2. 2.「〜のに」節のテンス
      1. 2.1「〜のに」節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 2.2「〜のに」節内の過去形
  15. 第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第7節【時間節節内の非過去形・過去形】
    1. 1. 時間節のテンス
    2. 2.「〜とき」節のテンス
      1. 2.1「〜とき」節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 2.2「〜とき」節内の過去形
    3. 3.「〜あいだ」節のテンス
      1. 3.1「〜あいだ」節内の非過去形
          1. [状態性述語の場合]
          2. [動き動詞の場合]
      2. 3.2「〜あいだ」節内の過去形
  16. 第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第8節【等位節・並列節内の非過去形・過去形】
    1. 1. 等位節・並列節のテンス
  17. 第6部テンス 第4章テンスに関わる副詞的成分 第1節【発話時と基準とする副詞的成分】
    1. 1. 発話時を基準とする副詞的成分とテンス的意味
        1. ★疑問「今」と「現在」は何が違う?
    2. 2. 発話時を基準とする副詞的成分と助詞の後接
  18. 第6部テンス 第4章テンスに関わる副詞的成分 第2節【発話時を基準としない副詞的成分】
    1. 1. 発話時を基準としない副詞的成分とテンス的意味
    2. 2. 発話時を基準としない副詞的成分と助詞の後接
  19. テンスが出題された日本語教育能力検定試験の過去問
  20. 本日の問題の答え

ハマが解説した講義動画はここからダウンロードして見ることができます。

【文法を極める会11】現代日本語文法③第6部【テンス】を分かりやすく解説 by 日本語教師のハマゼミコミュニティ
【文法を極める会】では①日本語教育能力検定試験合格や②日本語を教える時に役立つ文法を勉強しています。ここでは【文法を極める会】の動画を500円で購入してダウンロードすることができます。今回は現代日本語文法③第6部【テンス】の解説です。本をお持ちでない方はこちらからご購入ください。

スポンサーリンク

本日の問題

【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。

(11)【従属節のテンス】

1 頭が痛かったので、学校を早退した。

2 去年タイに行くとき、チョコを買った。

3 あいつが犯人だと叫んだ。

4 シュート練習をくりかえすように命じた。

5 試験はできたと思っている。

スポンサーリンク

第6部テンス 第1章テンスの概観 第1節【テンスとは】

1. テンスの規定

p117~

テンポラリィとは、文がもつ時間的な意味

テンスとは「過去」「現在」「未来」時間軸のどこなのかを表す文法カテゴリー

「来る」は非過去形

「来た」は過去形

2. テンス形式

テンス形式とは、述語の非過去形・過去形のこと。

テンス的意味とは、テンス形式によって表される「過去」「現在」「未来」のこと。

p121の表は付箋を貼っておこう。

スポンサーリンク

第6部テンス 第1章テンスの概観 第2節【テンスがない場合】

1. テンスがない2つの場合

p121~

「来る」「来た」の違いのように述語は本来テンスを持つが、①非過去形・過去形というテンス形式をもたない場合②非過去形がテンス的意味をもたない場合の2つはテンス形式を持たない。

2. テンス形式をもたない場合

p122~

テンスは「来る」と「来た」のように、「非過去形」と「過去形」で表し分けている。

そのため「非過去形」「過去形」の違いがない述語はテンスがない

・早く来い…命令形「来い」には「来る・来た」のような違いがない(テンスの対立がない)。

3. 非過去形がテンス的意味をもたない場合

p123~

A:カップラーメンの作り方を教えて。

B:いいよ。まず、お湯を入れる。次に、3分待つ。できあがり。

上の会話の「入れる」「待つ」は非過去形だがいつの出来事なの?

→手順を説明してるだけなのでテンス的意味はない。

スポンサーリンク

第6部テンス 第2章主文末における非過去形・過去形 第1節【非過去形の基本的な意味・用法】

1. 述語の種類と非過去形の意味

p125

現代日本語文法①p44〜では簡単にテンスがまとまっているのでまずはそちらを読むことおすすめ。

動き動詞の非過去形は、未来を表す。

・明日、学校に行く。

状態性述語の非過去形は、現在を表す。

・ここにねこがいる。

★過去問にチャレンジ

動作動詞(非状態動詞)のル形は基本的に未来を表す。」の例として最も適当なものを、次の1〜4の中から一つ選べ。

1 来週、札幌にいるよ。

2 夏になれば泳げるよ。

3 鉄は水に濡れるとさびるよ。

4 午後、電話するよ。

令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅲ問題1問1より

答えは次の行から。

動作動詞(非状態動詞)のル形は基本的に未来を表す。」の例として最も適当なものを、次の1〜4の中から一つ選べ。

1 来週、札幌にいるよ…「いる」は状態動詞。

2 夏になれば泳げるよ…「泳げる」は状態動詞。

3 鉄は水に濡れるとさびるよ…左の「さびる」は一般法則について述べているので事態が起こったのが「過去」なのか「現在」なのか「未来」なのかというテンス的な意味はない。

4 午後、電話するよ…「電話する」は動作動詞であり、「電話する」というル形で未来を表している。

よって、答えは4

【過去問解説】令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅲ問題1【2020】テンスとアスペクトより

2. 動き動詞の非過去形

2.1 未来を表す場合

p126~

動き動詞の非過去形は、未来(発話時以後)を表すのが基本。

・私は今からおにぎりを食べる

2.2 話し手の現在の思考・感覚を表す場合

p127~

思考感覚を表す動詞の非過去形は、話し手の現在の内的状態を表すことがある。

・私は日本語教師になりたいと思う

2人称3人称の場合は、シテイル形にを使う。

*弟は日本語教師になりたいと思う

○弟は日本語教師になりたいと思っている

2.3 現在の習慣を表す場合

p128

動き動詞の非過去形が、習慣を表すことがある。

・私は朝によく納豆を食べる

3. 状態性述語の非過去形

p128~

状態性述語の非過去形は、現在を表すのが基本。

・ここには猫がいる…現在

「明日」など未来を示す副詞的成分と一緒に使うと、未来を表すこともできる。

明日、ここには猫がいる…未来

スポンサーリンク

第6部テンス 第2章主文末における非過去形・過去形 第2節【非過去形の特殊な意味・用法】

1. 非過去形のさまざまな用法

p129~

非過去形は、未来や過去といったテンス的意味以外を表す用法もある。

・鉄は水に濡れると錆びる…性質を表す。未来や現在と言ったテンス的意味はない。

2. 性質や能力

p130~

非過去形は、ある主体の性質能力を表す用法がある。この用法はシテイル形も使える。

・猫は水を嫌う

・猫は水を嫌っている

3. 発話現場での観察

p131~

動き動詞の非過去形は、目の前の動きを観察して述べる用法がある。

・あっ、タクシーが来る

「よく」を一緒に使って評価的な意味が加わることもある。

・君は本当によく勉強するね。

4. 発話時の行為遂行

p132~

遂行動詞とは、「命ずる」「誓う」「宣言する」「断言する」「約束する」「感謝する」「断る」などのように非過去形での発話がそのままその行為を行ったことになる動詞

・おにぎりしか食べないと誓います

5. 命令

p133

意思的な動詞の非過去形は、聞き手に対する命令になることがある。

・(親が子に)ほら、はやく、宿題する

6. 小説などの地の文での表現効果

p133~

ver1. 桃が流れてきたので拾った。家に帰って切ってみると中から赤ちゃんが出てきた。オギャーと泣いた。桃から生まれたので桃太郎と名づけた

ver2.桃が流れてきたので拾った。家に帰って切ってみると中から赤ちゃんが出てきた。オギャーと泣いた。桃から生まれたので桃太郎と名づける

ver3.桃が流れてきたので拾った。家に帰って切ってみると中から赤ちゃんが出てくる。オギャーと泣く。桃から生まれたので桃太郎と名づけた

→「た」が続くときに、非過去形を織り交ぜることで生き生きとした描写に。伊坂幸太郎は地の文で非過去形をよく使う印象。

スポンサーリンク

第6部テンス 第2章主文末における非過去形・過去形 第3節【過去形の基本的な意味・用法】

1. 述語の種類と過去形の意味

p135

主文末の過去形は、過去を表す。

・昨日行ったラーメン屋は高かった…現在とつながる過去

・昨日は頭が痛かった…現在から切り離された過去

2. 動詞述語の場合

2.1 現在から切り離された過去の事態

p136~

・昨日は納豆おにぎりを食べた…過去の出来事。現在は継続していない。切り離されている。

・昨日はメイドカフェにいた…過去の出来事。現在は継続していない。切り離されている。

2.2 現在につながる過去の事態

[過去の状態が現在まで続いている場合]

p137

[過去の状態が現在まで続いている場合]

・この猫は昨日からずっとここにいた…猫は今もここにいることを表す。過去に焦点

・この猫は昨日からずっとここにいる…猫は今もここにいることを表す。現在に焦点

[過去の動きが現在まで続いている場合]

p137~

[過去の動きが現在まで続いている場合]

動きが起こるかどうかに着目する場面で動きの開始の局面に焦点をあてて、過去形で表す。

・あ、犯人がこちらを見ました。私に何かアイコンタクトをしているようです。…「見る」動きが現在まで続いているが開始されたことに着目して過去形で表す。

[過去の動きの結果が現在まで続いている場合]

p138~

[過去の動きの結果が現在まで続いている場合]

・お風呂が沸いた…お風呂が沸いた結果が現在も続いている。

現在につながる過去を否定する場合、単に過去を否定する「しなかった」現在も関わる「していない」の形が普通

・お風呂がまだ沸いていない

3. 形容詞述語・名詞述語の場合

3.1 過去の状態・性質

p139~

形容詞述語・名詞述語の過去形の一般的な意味は、主体の過去の状態・性質

・父は優しい人だった

主体がまだ存在している場合、その性質が現在は失われているという意味になる。

・弟はかつてバカだった…今も弟はいるがもうバカではない。

3.2 過去における認識・評価

p141~

・今朝、桜を見に行きましたが、桜はとてもきれいでしたね…今も「きれい」なのにどうして「きれいでした」?

過去における認識・評価を表している。

3.3 現在につながる主体の過去の状態・性質

p142~

・弟は子どもの頃から賢かった…今も賢い。過去に焦点。

・弟は子どもの頃から賢い…今も賢い。現在に焦点。

スポンサーリンク

第6部テンス 第2章主文末における非過去形・過去形 第4節【過去形の特殊な意味・用法】

1. 過去形のさまざまな用法

過去形のさまざまな用法(「た」の用法)についてはこちらの動画シリーズがおすすめ。

p143~

過去形には、過去を表す以外の用法もある。①発見想起反事実差し迫った要求である。

2. 発見

p144~

発見の用法とは、過去から続いている現在の事態を発見したことを表す用法

・あれ、スマホがない、あ、ここにあった

3. 想起

p145~

想起の用法とは、一時的に忘れていたのを今思い出したという意味

・あ、明日はバイトだった

聞き手に聞いたことをもう一度確認するときに使う。

・君の名前は確かハマだったよね?

4. 反事実

p147~

事実に反する事態を仮定する条件節の主文

[事実に反する事態を仮定する条件節の主文の例]

・こんなに楽しいとしっていれば、もっと早く日本語教師になったのに。

評価のモダリティの形式が過去形

[評価のモダリティの形式が過去形]

・もっと勉強するべきだった

「ところだ」が過去形

[ところだった]

・もう少しで落ちるところだった

5. 差し迫った要求

p148~

聞き手がその動作を意識的に行える場合、過去形が差し迫った要求という一種の命令を表せる。

・ちょっと待った

スポンサーリンク

第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第1節【従属節の種類と非過去形・過去形】

1. 主文のテンスと従属節のテンス

1.1 主文のテンスと従属節のテンスの共通点と相違点

p151~

主文(主節)テンス:いつも発話時を基準(絶対的)

・今朝、おにぎりを食べた…発話時点で「食べる」という事態が発生しているので過去形

従属節テンス:①発話時を基準にするものと②主文(主節)を基準とするものがある。

①たくさん勉強したので、合格した…発話時を基準

②タイに行くとき白い恋人を買った。…主文を基準。主文(主節)「白い恋人を買った」時点でまだ「タイに行く」は実現していない(未来)ので非過去形

③タイに行ったときドリアンキャンディーを買った…主文を基準。主文(主節)「ドリアンキャンディーを買った」時点ですでに「タイに行った」事態は発生しているので過去形

②のようなタイプは主文(主節)によってテンスが決まるので相対テンスと言います。詳しくはこちらをどうぞ。

1.2 主文事態の成立時を基準とするテンスの意味解釈のあいまいさ

p154~

・今から本を読む:まだ読んでいない(未来

・さっき本を読んだ:もう本を読んだ(過去)

下記の本」はすでに読んだと思いますか? まだ読んでいないと思いますか?

①試験勉強で使う本は図書館で借りました。

「試験勉強で使う」という名詞修飾節従属節)は「図書館で借りました」という主文事態を基準にするとまだ事態が成立していない(未来)ので「読む」という非過去形を使っている。

時間の流れ:図書館で借りた→試験勉強で使う

だが、発話時を基準に考えるとすでに「読んだ」(過去)のかこれから「読む」(未来)のかわからない。

①−1 私は去年合格したのですが、試験勉強で使う本は全て図書館で借りました…過去

①ー2 明日から試験勉強を始めるのですが、試験勉強で使う本は全て図書館で借りました…未来

2. 従属節の種類とテンス形式の対立

2.1 従属節におけるテンスの有無

p155~

・弟が{来る来たので、おにぎりを作った:「ので」節は非過去形・過去形どちらもOK

・弟が{来る/*来た}前に、おにぎりを作った:「前に」節は非過去形のみ。

2.2 従属節の種類とテンスの関係

[補足節]

p156~

補足節とは、述語に対して主語補語の関係にある節。補足節内は非過去形も過去形も現れる。①名詞節②引用節③疑問節という下位分類がある。

①彼が{結婚する/結婚した}を知った:名詞節

②弟は日本語を{勉強している/勉強していた}と思う:引用節

③{行く/行った}かどうかはわかりません:疑問節

補足節について詳しくは現代日本語文法⑥p13~

[名詞修飾節]

p157

名詞修飾節とは、名詞を説明するために名詞の前に来る節。名詞修飾節内は非過去形も過去形も現れる。

・弟が{結婚する/結婚した}人を知った:名詞修飾節

[条件節]

p157~

条件節とは、主文が表す事態と因果関係をもつ節。①順接条件節②原因・理由節③逆説条件節の下位類がある。補足節について詳しくは現代日本語文法⑥p93~

①雨が降ったら、家でゲームする:順接条件節内はテンスがないのが基本

②雨が{ふる/ふった}ので、家でゲームする:原因・理由節内は非過去形・過去形どちらも登場

③雨が降っても、家でゲームする:逆接条件「ても」節内にはテンスが現れない。

[時間節]

p158~

時間節とは、主文の事態に対する時間を表す節。①同時を表す時間節②期間を表す時間節③前後関係を表す時間節という下位分類がある。時間節について詳しくは現代日本語文法⑥p165~

①タイに{行く/行った}とき、チョコを買った:時間節は非過去形・過去形どちらも登場。

②雨が止んでいるうちに準備しよう:期間を表す「うちに」節内は非過去形のみ。

③弟が帰ったあとでおにぎりを食べた:前後関係を表す「あとで」節内は過去形のみ。

[目的節]

p158~

目的節とは、主文の動作を実行する目的を表す節。「ために」節「ように」節など。

・試験に受かるように早めに勉強を始めた:「ように」節「ために」節は非過去形のみ。

[様態節]

p159

様態節とは、主文の動作に付随する動作や状態を表す節。「ながら」節やテ形による節。テンス形式が現れない。

・YouTubeを見ながら勉強した:「見ながら」にテンス形式(ル形・タ形の対立)はない。

×YouTubeを見るながら勉強した。

×YouTubeを見たながら勉強した。

[等位節・並列節]

p159~

等位節とは、主文と同様の資格をもつ節を結びつける節「けれど」節・「が」節が有名。

・私は受かったけれど、彼氏は落ちた:主文「彼氏は落ちた」と「私は受かった」は等位

並列節とは、さまざまなレベルの要素を並べる節。テ形による節・「たり」節・「し」節が有名。

・YouTubeを見たり勉強したりして休日を過ごした。

等位節・並列節について詳しくは現代日本語文法⑥p253~

スポンサーリンク

第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第2節【補足節内の非過去形・過去形】

1.補足節のテンス

p161

述語に対して主語や補語の関係にある節を補足節という(現代日本語文法⑥p13~参照)。

①名詞節②引用節③疑問節という3つのタイプがある。

①彼が{結婚する/結婚した}を知った:名詞節

②弟は日本語を{勉強している/勉強していた}と思う:引用節

③{行く/行った}かどうかはわかりません:疑問節

いずれも非過去形・過去形どちらもOK

2. 名詞節のテンス

2.1 名詞節内の非過去形

名詞節内の非過去形は、主文の事態成立時が基準

[状態性述語の場合]

p162

状態性述語の場合、名詞節内の過去形は、主文の事態と同時であることを表す。

・彼の家に猫がいるのを私は知っている:主文の事態「私は知っている」と名詞節内「彼の家に猫がいる」は同時

[動き動詞の場合]

p163

動き動詞の場合、名詞節内の過去形は、主文の事態以後を表す。

・明日ディズニーランドに行くのを思い出した:ディズニーランドに行くのは、主文「思い出した」の事態以後なので非過去形「行く」

2.2 名詞節内の過去形

p164

名詞節内の過去形は、主文の事態以前を表す。

・去年ディズニーランドに行ったのを思い出した:ディズニーランドに行ったのは、主文「思い出した」の事態以前なので過去形「行った」

・彼の家に猫がいたのを私は知っている:彼の家に猫がいたのは、主文「私は知っている」の事態以前なので過去形「いた」

3. 引用節のテンス

3.1「〜と」節内の非過去形

p164~

「と」節は、引用を表す。引用「と」節内の非過去形・過去形は、主文の事態成立時が基準

・明日ディズニーランドに行くと叫んだ:ディズニーランドに行くのは、主文「叫んだ」の事態後なので非過去形「行く」

・去年ディズニーランドに行ったと叫んだ:ディズニーランドに行ったのは、主文「叫んだ」の事態以前なので過去形「行った」

[状態性述語の場合]

p164

状態性述語の場合、引用「と」節内の非過去形は、主文の事態と同時であることを表す。

・私はディズニーランドにいると叫んだ:状態性述語「ディズニーランドにいる」と主文「叫んだ」は同時

[動き動詞の場合]

p165

動き動詞の場合、引用「と」節内の非過去形は、主文の事態以後を表す。

・明日ディズニーランドに行くと叫んだ:ディズニーランドに行くのは、主文「叫んだ」の事態以後なので非過去形「行く」

3.2「〜と」節内の過去形

p165

引用「と」節内の過去形は、主文の事態以前を表す。

・去年ディズニーランドに行ったと叫んだ:ディズニーランドに行ったのは、主文「叫んだ」の事態以前なので過去形「行った」

・私はディズニーランドにいたと叫んだ:ディズニーランドにいたのは、主文「叫んだ」の事態以前なので過去形「いた」

3.3「〜ように」節内の非過去形

p165~

引用「ように」節は、命令や祈願あるいは思考や観察した内容を表す。

・明日までに提出するように命じた:命令

・彼はお酒は{飲まない/飲まなかった}ように思う:思考

命令祈願の「ように」節:未実現の内容なので非過去形のみ

思考内容の「ように」節:非過去形も過去形も。

[状態性述語の場合]

p166

状態性述語の場合、引用「ように」節内の非過去形は、主文の事態と同時であることを表す。

・だれかがいるように感じる:状態性述語「だれかがいる」と主文「感じる」は同時

[動き動詞の場合]

p166~

動き動詞の場合、引用「と」節内の非過去形は、主文の事態以後を表す。

・勉強を続ければ夢はかなうように感じた:主文「感じた」事態の以後なので非過去形「かなう」

3.4「〜ように」節内の過去形

p167

「ように」節内の過去形は、主文の事態以前を表す。

・去年ディズニーランドに行ったように記憶している:ディズニーランドに行ったのは、主文「記憶している」の事態以前なので過去形「行った」

・彼もディズニーランドにいたように思う:彼がディズニーランドにいたのは、主文「思う」の事態以前なので過去形「いた」

4. 疑問節のテンス

4.1 疑問節内の非過去形

[状態性述語の場合]

p167

状態性述語の場合、疑問節内の非過去形は、主文の事態と同時であることを表す。

・このアパートに何人住んでいるか知ってる?:状態性述語「住んでいる」と主文「知ってる」は同時

[動き動詞の場合]

p167~

動き動詞の場合、疑問節内の非過去形は、主文の事態以後を表す。

・その時の私には弟がおにぎりを食べるかどうかわからなかった:主文「わからなかった」事態の以後に起こることなので非過去形「食べる」

4.2 疑問節内の過去形

p168

疑問節内の過去形は、主文の事態以前を表す。

・このアパートに何人住んでいたか知ってる?:住んでいたのは、主文「知ってる」事態以前なので過去形「住んでいた」

・弟がおにぎりを食べたかどうかわからなかった:食べたのは、主文「わからなかった」事態以前なので過去形「食べた」

スポンサーリンク

第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第3節【名詞修飾節内の非過去形・過去形】

1. 名詞修飾節のテンス

p168~

名詞修飾節とは、名詞の前についてその名詞を詳しく説明する節。名詞修飾節について詳しくは現代日本語文法⑥p43~

・猫 : 名詞

・私の猫 :名詞+名詞

・かわいい猫 :形容詞+名詞

子供のころから一緒にいる猫:名詞修飾節+名詞

※「格成分名詞修飾節」「内容補充名詞修飾節」「相対名詞修飾節」「付随名詞修飾節」の違いは現代日本語文法⑥p51~で扱います。

今の時点でここを読むのは難しいので現代日本語文法⑥p51~を勉強した後で【名詞修飾節内の非過去形・過去形】を読んでみてください。

スポンサーリンク

第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第4節【順接条件節内の非過去形・過去形】

1. 順接条件節のテンス

p176~

順接条件節にはテンスがない

・この本をマスターすれば合格できます。

「すれば」は非過去形・過去形の区別がない。

「なら」は例外的にテンスがある

・映画を{見る/見た}なら、感想を聞かせてください。

2.「〜なら」節内のテンス

2.1「〜なら」節内の非過去形

[状態性述語の場合]

p177~

状態性述語の場合、「なら」節内の非過去形は、発話時を基準にその状態が現在であることを表す。

・今東京にいるなら、遊ぼうよ。

未来を表すことも。

・明日東京にいるなら、遊ぼうよ。

[動き動詞の場合]

p178~

動き動詞の場合、「なら」節内の非過去形は、発話時を基準とする未来を表す。

・君が試験を受けるなら、僕も受けるよ:君が試験を受けるのは発話時より未来

2.2「〜なら」節内の過去形

p179

「なら」節内の過去形は、①発話時を基準として事態を過去に位置づける場合と②「なら」節と主文の連続性を表す場合がある。

去年試験を受けたなら、この試験の難しさを知っていますね。:発話時を基準として「去年試験を受けた」のは過去

今年合格したなら、ディズニーランドに行きましょう:合格→ディズニーランドという連続性を表す。

2.3 反事実的な主文を導く「〜なら」節内の非過去形・過去形

p179~

反事実的な主文を導く「〜なら」節内の非過去形は、実際に起きた事態を表す。

試験を受けるなら、もっと勉強しておけばよかった

→「試験を受ける」は実際に起きた事実。「もっと勉強しておく」は反事実

反事実的な主文を導く「〜なら」節内の過去形は、①実際に起きた事態を表す場合と②仮想的な事態を表す場合がある。

昨日パーティがあったなら、行けばよかった。:実際に起きた事態

私がそこにいたなら、彼を捕まえたのに。:仮想的な事態

スポンサーリンク

第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第5節【原因・理由節内の非過去形・過去形】

1. 原因・理由節のテンス

p181~

原因・理由節といえば「ので」節と「から」節

原因・理由節は、非過去形・過去形どちらもOK。

・お腹が{減る/減った}ので、おにぎりを持ってきた。

原因・理由を表す「ので」節・「から」節は、①主文自体を基準にするときも②発話時を基準とするときもある。

弟は用事があるので早めに帰った:主文「帰った」を基準にして主文以後に用事があるので非過去形の「ある」

弟は用事があったので早めに帰った:発話時を基準として過去を表しているので過去形の「あった」

判断の根拠を表す「ので」節・「から」節は、発話時を基準とする。

今日は午後から雨が降るから、早く帰ろう:発話時を基準として過去を表していないので非過去形の「降る」

2. 原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節のテンス

2.1 原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節内の非過去形

[状態性述語の場合]

p182~

状態性述語の場合、原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節内の非過去形は、主文を基準に同時であることを表す。

熱があるので、早く帰った:「熱がある」と主文「帰った」は同時

[動き動詞の場合]

p183~

動き動詞の場合、原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節内の非過去形は、主文の事態以後を表す。

明日朝早くディズニーランドに行くので早く寝た:主文「寝た」以後に、ディズニーランドに行くので非過去形の「行く」

2.2 原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節内の過去形

[状態性述語の場合]

p185

状態性述語の場合、原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節内の過去形は、発話時を基準として、過去を表す。

熱があったので、早く帰った:発話時を基準に過去を表す。

[動き動詞の場合]

p185~

動き動詞の場合、原因・理由を表す「〜ので」節・「〜から」節内の過去形は、発話時を基準とするのが基本

買い物したのでバッグが重くなった:発話時を基準に過去を表す。

3. 根拠を表す「〜ので」節・「〜から」節のテンス

3.1 根拠を表す「〜ので」節・「〜から」節内の非過去形

[状態性述語の場合]

p186~

状態性述語の場合、根拠を表す「ので」節・「から」節内の非過去形は、発話時を基準に現在を表す。

子猫がたくさんいるから見て:発話時を基準に現在を表す。

[動き動詞の場合]

p187~

動き動詞の場合、根拠を表す「ので」節・「から」節内の非過去形は、発話時を基準とした未来を表す。

今日は午後から雨が降るから、早く帰ろう:発話時を基準とした未来

3.2 根拠を表す「〜ので」節・「〜から」節内の過去形

p187

根拠を表す「ので」節・「から」節内の過去形は、発話時を基準とした過去を表す。

雨が降り出したので帰りませんか。:発話時を基準とした過去

スポンサーリンク

第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第6節【逆説条件節内の非過去形・過去形】

1. 逆接条件節のテンス

p188

逆接条件節とは、従属節の事態が成立したときに予想される事態が実現しなかったことを主文で表すもの。

沖縄に行ったのに、ずっと雨だった。

2.「〜のに」節のテンス

2.1「〜のに」節内の非過去形

[状態性述語の場合]

p188

状態性述語の場合、「のに」節内の非過去形は、従属節と主文の事態が同時であることを表す。

天気はいいのに寒い日だ:主文「寒い日だ」と「天気はいい」が同時

[動き動詞の場合]

p188~

動き動詞の場合、「のに」節内の非過去形は、主文を基準にして、それ以後に起きたことを表す。

来月試験を受けるのに彼は勉強しない:主文「彼は勉強しない」以後に「来月試験を受ける」が起きる

2.2「〜のに」節内の過去形

p189

「のに」節内の過去形は、発話時を基準にして、その事態が過去であることを表す。

・薬を飲んだのに喉が痛い:発話時を基準に過去

スポンサーリンク

第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第7節【時間節節内の非過去形・過去形】

1. 時間節のテンス

p190~

時間節とは、「とき」「あいだ」「まえ」「あと」など主文事態との関係で時間を表す。

時間節について詳しくは現代日本語文法⑥p165~

2.「〜とき」節のテンス

2.1「〜とき」節内の非過去形

[状態性述語の場合]

p191~

状態性述語の場合、「とき」節内の非過去形は、主文と同時を表す。

私が家にいるときに、弟が来た。

[動き動詞の場合]

p192

動き動詞の場合、「とき」節内の非過去形は、主文を基準として、それ以後を表す。

タイに行くとき、白い恋人を買った。

2.2「〜とき」節内の過去形

p193

タイに行ったとき、ドリアンを買った。

3.「〜あいだ」節のテンス

3.1「〜あいだ」節内の非過去形

p193~

[状態性述語の場合]

p194

主文を基準に同時

日本にいるあいだ、ずっと日本語を勉強していた。

[動き動詞の場合]

p194~

主文を基準に同時

ご飯を食べるあいだ、テレビを見ていた。

3.2「〜あいだ」節内の過去形

p195

状態性述語の場合は、発話時を基準とする過去を表す。

・日本にいた間、ずっと勉強していた。

動き動詞の場合は、過去形をとることができない。

*ご飯を食べたあいだ、テレビを見ていた。

スポンサーリンク

第6部テンス 第3章従属節内における非過去形・過去形 第8節【等位節・並列節内の非過去形・過去形】

1. 等位節・並列節のテンス

p196~

等位節とは、主文と同様の資格をもつ節を結びつける節「けれど」節・「が」節が有名。

・私は受かったけれど、彼氏は落ちた:主文「彼氏は落ちた」と「私は受かった」は等位

並列節とは、さまざまなレベルの要素を並べる節。テ形による節・「たり」節・「し」節が有名。

・YouTubeを見たり勉強したりして休日を過ごした。

等位節・並列節について詳しくは現代日本語文法⑥p253~

スポンサーリンク

第6部テンス 第4章テンスに関わる副詞的成分 第1節【発話時と基準とする副詞的成分】

1. 発話時を基準とする副詞的成分とテンス的意味

p201~

「今日」「今週」など発話時を含む日、週、月、年の文のテンス的意味は、述語の形で表す。

①今日、おにぎりを食べた:過去

②今日、おにぎりを食べている:現在

③今日、おにぎりを食べる:未来

★疑問「今」と「現在」は何が違う?

:発話時を含まない直後も表せる

現在:発話時を含む時間帯しか表せない。

○今、食べます

*現在、食べます

2. 発話時を基準とする副詞的成分と助詞の後接

p202~

発話時を基準とする副詞的成分は、基本、無助詞

*今日に、おにぎりを食べます

○今日、おにぎりを食べます

スポンサーリンク

第6部テンス 第4章テンスに関わる副詞的成分 第2節【発話時を基準としない副詞的成分】

1. 発話時を基準としない副詞的成分とテンス的意味

p203~

発話時を基準としない副詞的成分とは、「2022年1月1日」など、発話時と関係なく、絶対的に時点が決まっているもの。「2022年1月1日」はそれ自体でテンス的意味を決められない。述語が文のテンスを表す。

2022年1月1日に神社に行く未来

2022年1月1日に神社に行った過去

2. 発話時を基準としない副詞的成分と助詞の後接

p204~

発話時を基準としない副詞的成分は、基本「に」と一緒に使う。

・2022年1月1日神社に行った。

スポンサーリンク

テンスが出題された日本語教育能力検定試験の過去問

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題1【テンスとアスペクト】2020

スポンサーリンク

本日の問題の答え

【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。

(11)【従属節のテンス】

1 頭が痛かったので、学校を早退した。

2 去年タイに行くとき、チョコを買った。

3 あいつが犯人だと叫んだ。

4 シュート練習をくりかえすように命じた。

5 試験はできたと思っている。


1 頭が痛かったので、学校を早退した。:p185 発話時を基準(絶対テンス)

2 去年タイに行くとき、チョコを買った。:主文事態の成立時を基準(相対テンス)

3 あいつが犯人だと叫んだ。:p164 主文事態の成立時を基準(相対テンス)

4 シュート練習をくりかえすように命じた。:p165 主文事態の成立時を基準(相対テンス)

5 試験はできたと思っている。:p165 主文事態の成立時を基準(相対テンス)

1のみ発話時を基準(絶対テンス

よって、答えは1

タイトルとURLをコピーしました