【比喩の種類】メタファーとメトニミーとシネクドキの違い【比喩一覧】

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比喩の一覧

名称性質例文
メタファー(隠喩)全然違うものに類似性を見つけて表現・顔が曇った(本来「曇った」は天気。天気と顔は全然違う)
メトニミー(換喩)近いものなのでよく考えないと比喩と気づかない・村上春樹を読んだ(よく考えたら村上春樹じゃなくて「村上春樹の書いた本」)
シネクドキ(提喩)グループの一部です・花見(「花」の中でも「桜」)
・お茶しない?(「コーヒー」とか他の飲み物でも可)
シミリ―(直喩)「まるで~みたいだ/ようだ」等の比喩の言葉を使っています・安物のチーズケーキみたいに顔がむくんでいた
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比喩をわかりやすく説明した動画

比喩とは、何かを説明するときに分かりやすいものを使って表現することです。

比喩は、言葉本来の使い方・意味より拡がっているので意味拡張とも言われます。

日本語教育能力検定試験には比喩(意味拡張)がよく出てきますので、比喩の種類と一覧をここで勉強しましょう。

まずは下の動画を見てください。比喩の問題もあるのでチャレンジして見てください。

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シミリの意味【直喩】

シミリとは「例えば」「まるで~のようだ」「~のごとし」などの比喩の言葉を使って、比喩であることを接はっきり示した (たと)え方 。直喩とも。

直喩の読み方は「ちょくゆ」

シミリは英語では、simile

シミリの具体例【直喩】

・雪のような肌

・ばらのような微笑

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メタファーの意味【隠喩】

メタファーとは、「例えば」「まるで~のようだ」「~のごとし」 などの比喩の言葉を使わずに、比喩であることをした(たと)え方。隠喩とも。

隠喩の読み方は「いんゆ」

メタファーは英語では、metaphor

メタファーの具体例【隠喩】

・雪の肌

・ばらの微笑

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メトニミーの意味【換喩】

メトニミーとは、言い表したい物事を、それと関係の近い、関係の深いもので表現する方法。換喩とも。シネクドキをメトニミーに含める人もいます。

換喩の読み方は「かんゆ」

メトニミーは英語では、metonymy

メトニミーの覚え方

目と耳は近いから、メトミミー! いえメトニミー!

で私は覚えました。

メトニミーの具体例 【換喩】

・ジョッキを飲み干す(令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10問4)

「ジョッキ」でジョッキの中身であるビールを表しています。

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シネクドキとは【提喩】

シネクドキとは、全体を表す言葉で部分を表したり、部分を表す言葉で全体を表したり、下位概念で上位概念を表したり、上位概念で下位概念を表したりすること。提喩とも。シネクドキをメトニミーに含める人もいます。

提喩の読み方は「ていゆ」

シネクドキは英語では、synecdoche

シネクドキの具体例【提喩】

・花見

「花」という上位概念で「桜」という下位概念を表しています。

・お茶しない?

「お茶」という下位概念で「飲み物」という上位概念を表しています。

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よくある質問

Q1:身体部位を含む比喩表現はメタファーですか? メトニミーですか?

A1:メタファーのときもあれば、メトニミーあるいはシネクドキのときもあります。メトニミーかシネクドキかは人によって違います。

日本語教育能力検定試験では

「メタファーはどれか?」という問題は少ないです。

それよりも

「例と同じタイプの意味拡張はどれか?」

「他と異なるタイプの意味拡張はどれか?」

という問題がよく出ます。

同じタイプの意味拡張でグループ分けすることができることが大切です。

名前にこだわるのではなく、理解にこだわってください。

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10問4では「メトニミーの例を選ぶ問題」が出ていますが、

これは典型的なメトニミーで、わかりやすい例でした。

「メタファーはどれか?」「メトニミーはどれか?」という問題が出る場合は

典型的なわかりやすい例が出ると思いますので大丈夫です。

万が一、分類が微妙でわかりにくい例が出た場合はどうすればいいか?

気にしないこと。

他の人もできないので大丈夫です。

例えば「手を貸す」は何だと思いますか?

「手を貸す」は部分で全体を表しているのでシネクドキであるという人もいます(「やかんが沸騰した」はなぜ伝わる?比喩から考える言葉の不思議)。

谷口一美(国際高等教育院/人間・環境学研究科 教授)「やかんが沸騰した」はなぜ伝わる?比喩から考える言葉の不思議 より

一方で、同じようなタイプの意味拡張と思われる「手が足りない」をメトニミーに分類している人もいます。

メトニミーの例

(4)「赤ずきんは元気よくおばあさんの家へ出かけました」 (著者作例)

(5)「あの金髪失礼だ」 (著者作例)

(6)「手が足りないから、手伝って」 (籾山, 2009, p.31)

(7)「ユニホームを脱ぐ」 (籾山, 2009, p.31)

(8)「頭を抱える」 (籾山, 2009, p.31)

(9)「親の言うことを聞く」 (籾山, 2009, p.32)

(10)「村上春樹を読む」 (著者作例)

身体部位詞を含む慣用表現に関する認知言語学的研究p89より

頭数をそろえる」をシネクドキだと考える人もいます。

近接関係の中でも、部分と全体との関係に基づく比喩表現を、メトニミーとは別に、「シネクドキ(提喩)」と呼ぶことがあります。

部分と全体を用いた分かりやすい例は、体の一部を使った表現です。「頭数を数える」とは、頭だけの数ではなく、人数を数えるという意味です。頭は体のてっぺんにあって目立っており、一人に一つしかありません。他にも「手が足りない」や「手を貸す」など、体の一部分で人全体を表す比喩は少なくありません。

谷口一美(国際高等教育院/人間・環境学研究科 教授)「やかんが沸騰した」はなぜ伝わる?比喩から考える言葉の不思議 より

一方で同じようなタイプの意味拡張と思われる「首をそろえる」をメトニミーと考える人もいます。

(39)

a.首を揃える(関係者が一堂に集う)

b.雁首を揃える(人が集まる、整列する)

c.鳩首会議(人々が集まって相談すること。多くの人が額を寄せて話しあう様子)

d.首を吊る(自殺する。首をひもなどにかけ、高いところから吊り下がって、死 ぬ)

e.首投げ(相撲やレスリングの技の一種で、相手の首に腕を巻きつけて投げる)

これらの慣用句において「首・neck」は、「人全体」を表していると考えられる。例えば、 (39)「a.首を揃える」は、「首」で人全体を表し、人がたくさん揃っている様子が句全体で表現され、「関係者が一堂に集う」という意味を表している。身体部位の[NECK]で、「人全体」を表すのは、メトニミーの例(6)「手が足りないから、手伝って」 という表現において、「手」で「(手を部分として含む)人間の体全体」を表しているこ とから、部分―全体の関係に基づくメトニミーである(籾山, 2009, p.31)、と説明したのと同様である。

身体部位詞を含む慣用表現に関する認知言語学的研究p106より

首が飛ぶ」「首を切る」はメタファー

(44)

a.首の皮一枚(ごく小さな可能性がまだ残っている)

b.首が繋がる(職などをやめないですむ)

c.首を繋ぐ

d.首が飛ぶ(免職・解雇される)

日本語の(44)の慣用句の意味は、文字通り表される「身体部位の状態」と、「命・職の危機がせまる状態」に類似性を見出したメタファーによって生じた意味と考えられる。

例えば(44)「a.首の皮一枚」は、文字通りには、[HEAD]と胴体が[NECK]の皮のみでかろうじて繋がっている様子を表している。その具象から、「命・職の危機」が推測され、「ごく小さな可能性が残っている」という意味が生じている。

身体部位詞を含む慣用表現に関する認知言語学的研究p106より

(49)

a.首を洗って待つ(打ち首の場所に座り、処刑されようとする)

b.首を切る(解雇にする)

c.首をくくる(自殺する。首を吊る)

d.寝首を掻く(人の油断に乗じて、卑怯なはかりごとで陥れる)

e.真綿で首を締める(遠まわしにじわじわ責めたり痛めつけたりすること)

f.首を吊る(自殺する)

g.鬼の首を取ったよう(悪事の限りを尽くしていた鬼を退治して、その首を取った人のように、得意の絶頂にあるさま)

h.首狩り(ある社会で宗教的儀式を行うとき、神に捧げるいけにえとして、他部族の人の頭をとること)

これらは、文字通り表される「身体部位を用いた行為、身体部位への行為」からメタファー、メトニミーにより意味が拡張し、「命・職の危機がせまる状態」を意味する慣用句である。

例えば、(49)「b.首を切る」は、文字通りには、身体部位[NECK]が切られることを表すが、その行為と「解雇する」ことに、「生命の維持を左右する行為」という類似点を認識したメタファーである。

また(49)「c.首をくくる」は、字義通りの「[NECK] を紐などでくくる」という行為で、それと時間的に隣接関係にある「自殺する」という 行為を表すメトニミーである

身体部位詞を含む慣用表現に関する認知言語学的研究p108より

以上の通り、メトニミーとシネクドキ―は人によって分類が違うことがあります。

なので、名前にこだわることはあまり意味がありません。

それよりも同じタイプの意味拡張でグループ分けができるようになってください。

それで大丈夫です。

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比喩・意味拡張が登場した日本語教育能力検定試験の過去問

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(13)【身体部位を含んだ表現の意味】

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題10問4【メトニミーの例】

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12問3【特定の語が一般化した意味で使用される例】

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅱ問題5の2番問2選択肢d【比喩的に使われた語の知識】

平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(13)【比喩】

平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3C(11)【あいまいな足】

平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題2問1【「花見」と同じタイプの意味拡張の例】

平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題3問1【「筆を執る」と同じタイプの意味拡張の例】

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