【CEFRの日本語版】 JFスタンダートとは?【6レベルをCan-doで】

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CEFRとは?

CEFRとは、国や言語の垣根を越えて、言語の習得レベルを測るための共通のものさし(フレームワーム)。

複言語・複文化主義」や「相互理解」などの理念を背景とした枠組みです。

CEFRは、言語教育・学習に対する行動中心の考え方に基づいており、現在ではヨーロッパだけでなく世界中の言語教育の様々な場面で応用されています。

日本でもCEFRを日本の英語教育に適用した枠組みであるCEFR-Jが開発されました。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/092/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2012/09/24/1325972_2_1.pdf

CEFRは、ヨーロッパ言語共通参照枠Common European Framework of Reference for Languages)の頭字語です。

読み方は、セファール

セフアールと読む人もいます。

1993年にEU(欧州連合)が発足し、ヨーロッパ内での人の移動が容易になりました。

ヨーロッパの国々を旅行するとき、パスポートも見せずに、あっさりと国境を超えられることに驚いた人も多いと思います。

EUが1つの国みたいですね。

ですが、言葉がたくさんあります。

ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、オランダ語…

色々な言語を色々な人が色々なレベルで話します。

国によって、言語によって、レベルの決め方が違うと混乱してしまいます。

そこでCEFRができました。

CEFRを使えば以下のようなことができます。

①すべての言語を共通したフレームワークで判断できる。

②同じ人物の異なる言語の言語能力を比較できる。

③講師だけでなく、学習者自身も判断できる。

CEFRは、行動中心アプローチ(行動中心主義)に基づいています。

「その言語を使って何がどのぐらいできるか」

いわゆる Can-do の考え方です。

例えば

C2の聞くこと全般では

母語話者にかなり速いスピードで話されても、生であれ、放送であれ、どんな種類の話し言葉も難無く理解できる。

というCan doがあります。

CEFRのついて詳しく知りたい方は本があります。

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CEFRの6レベル

CEFRのレベルは下から、A1,A2,B1,B2,C1,C2の6段階に分かれています。

A:基礎段階の言語使用者

A1:入門(超初級)、A2:初級

B:自立した言語使用者

B1:中級、B2:中上級

C:熟達した言語使用者

C1:上級、C2:超上級(母語話者レベル)

詳しくはみんなのCan-doサイトの2.「JFスタンダードの木」と「Can-doの6レベル」をご覧ください。

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JF日本語教育スタンダートとは?

JF日本語教育スタンダートとは、CEFRをベースにJFが開発した日本語の教え方、学び方、学習成果の評価の仕方を考えるためのツールです。JFスタンダードとも。

https://jfstandard.jp/summary/ja/render.do

JF日本語教育スタンダードでは、CEFRの考え方に準じて、言語によるコミュニケーションを言語能力言語活動の関係から捉え、日本語の熟達度を6つのレベルに分けています。

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JFスタンダードの6レベル

JFスタンダードはCEFRをベースに作っていますので、上のCEFRの6レベルと同じです。

それぞれのレベルを「Can-do(~できる)」という文で示しています。

https://jfstandard.jp/cando/about/summary/ja/render.do

A【基礎段階の言語使用者】

A1(入門(超初級)レベル)

非常に短い、準備して練習した言葉を読み上げることができる。例えば、話し手の紹介や乾杯の発声など。

A2 (初級レベル)

身近な話題について、リハーサルをして、短い基本的なプレゼンテーションができる。

B【自立した言語使用者】

B1(中級)

自分の専門でよく知っている話題について、事前に用意された簡単なプレゼンテーションができる。

B2(中上級)

事前に用意されたプレゼンテーションをはっきりと行うことができる。

C【熟達した言語使用者】

C1(上級)

複雑な話題について、明確なきちんとした構造を持ったプレゼンテーションができる。

C2(超上級(母語話者レベル))

話題について知識のない聴衆に対しても、自信を持ってはっきりと複雑な内容を口頭発表できる。

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試験によく出るCan-do Statements とCan-do一覧表

Can-do Statementsとは、その言語を使って何ができるか(Can-do)具体的に記述( Statements)したもの。

Can-do Statements は略してCan-doということが多いです(『日本語能力試験Can-do自己評価リストとは』参照)。

日本語教育能力検定試験ではA2レベルCan-doが出題されることが多いです。

なので下記「Can-do 一覧表」のA2レベルを中心に見ておくといいでしょう。

CEFR Can-do一覧表(レベルごと)

CEFR Can-do一覧表(カテゴリーごと)

JF Can-do一覧表

Can-doには3つの種別と4つの種類があります。

Can-doの3つの種別

CEFR Can-do

CEFR Can-do」とは、CEFRが提供するCan-doです。抽象性や包括性が高い。

493個 A1~C2の6レベルから選択できます。

JF Can-do

JF Can-do」とは、JF(国際交流基金)がCEFRを参照し独自に作成した日本語のコミュニケーション言語活動を例示したCan-doです。具体的・現実的な場面や状況を示します。

MY Can-do

MY Can-do」とは、みんなのCan-doサイトの利用者が、各環境に合わせてオリジナルで作成するCan-doです。CEFR Can-doやJF Can-doを参照して作ります。

Can-doの4種類

「Can-do」は、「能力Can-do」「活動Can-do」「テクストCan-do」「方略Can-do」の4種類に分類されています。

平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題7問4では【活動Can-doの例】を選ぶ問題が出題されました。

言語能力と言語活動のカテゴリー 一覧』を見て、4種類のCan-doの具体例を確認しておいてください。

「能力Can-do」は言語能力を例示するCan-doです。

「活動Can-do」「テクストCan-do」「方略Can-do」は言語活動を例示するCan-doです。

言語活動を例示するCan-do

活動Can-doとは?

活動Can-doとは、実社会で行う具体的なコミュニケーション言語活動を例示するCan-doです。

受容・産出・やりとりの3つに分類されます。

受容とはインプット

産出とはアウトプット

やりとりとはインプットとアウトプットです。

受容読む・聞くなどの受容的活動
産出一人で長く話す、書くなどの産出活動
やりとり会話やメールのやりとりなどの相互行為活動

活動Can-doの例

・簡単なセリフで書かれていれば、4コマ漫画を読んで、内容をだいたい理解することができる。

テクストCan-doとは?

テクストCan-doとは、受容・産出・やりとりの間をつなぐ言語活動で、ノート取りや要約などまとめたり言い換えたりする活動を例示するCan-doです。

テクストCan-doの例

・印刷物か、明瞭に手書きされた短いテキストを書き写すことができる。

方略Can-doとは?

方略Can-doとは、言語能力を効果的に使って言語活動を行うための方略を例示するCan-doです。

方略はストラテジー、目的を達成するための工夫です。

方略Can-doの例

・自分の関心や専門に関連するテクストの中で、なじみのない単語の意味を文脈から推測できる。

言語能力例示するCan-do

能力Can-doとは?

能力Can-doとは、言語活動を行うために必要な言語能力を例示するCan-doです。

能力Can-doの例

・馴染みのある状況や話題に関して、日常的な生活上の交渉・取引を行うのに充分な語彙を持っている。

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JFスタンダードのポートフォリオとは?

JFスタンダードでは、CEFRと同じく生涯学習を重視しています。生涯学習、つまり継続的な学習を支援する方法として評価にポートフォリオの利用も提案されています。

JFスタンダートのポートフォリオとは、学習者のニーズ、学習の目的に合わせて、学習の過程、成果を自分で自由に記録・保存するものです。

ポートフォリオの3つの要素

JFスタンダードでは、

評価法(自己評価チェックリスト、評価基準評価シート)

言語的・文化的体験の記録(言語的・文化的体験と学び、自己目標学習計画振り返り)

学習の成果(成果物一覧、作文・レポート発表原稿など、プロジェクトの成果)

という3つの要素で構成されたポートフォリオが提案されています。

https://jfstandard.jp/summary/ja/render.do

ポートフォリオを活用するメリット

・結果よりも過程を重視した評価をすることができる。

・学習者の自律的な学びを促すことができる。

・学習者の学びの過程に関する詳しい情報を得ることができる。

・学習者の学びを継続的に支援することができる。

(以上、平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題7問5より)

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JFスタンダードに対する批判とCan-doの検証調査

新井克之(2014)JF日本語教育スタンダードとCEFRに潜む〈権力〉と諸問題

のようにJF日本語教育スタンダードとCan-doには批判もありました。

欧州の文化や考え方、言語場面などをベースに開発されたCEFRの枠組みが、文化的背景や言語体系が異なる日本語教育・学習においても妥当なのかという点については、議論があります。こうした議論に資する目的で、国際交流基金日本語国際センターでは2018年度にJFSの「量的検証」を実施しました。「量的検証」とは、Can-doが各レベルに相応しい難しさであるかどうかを統計的な調査によって検証することです

「JF日本語教育スタンダードのCan-doの量的検証について ―産出、やりとりのCan-doを中心として―」 調査報告書を公開しました。

2020年7月に『JF 日本語教育スタンダードの Can-do の量的検証について ― 産出、やりとりの Can-do を中心として ―』調査報告書が公開されました。

Can-doの報告書は今後日本語教育能力検定試験で出題される可能性がありますので、要チェックです。

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CEFRとJFスタンダードが出題された日本語教育能力検定試験の過去問

令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題8問1【CEFRのA2レベルのCan-do】

平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題5問5【Can-do statements を使った自己評価】

平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題6問1【JF日本語教育スタンダードの特徴】

平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題7問1【CEFRのA2レベルの説明】

平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題7問5【Can-do Statemenstsに関する記述】

平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題7【CEFRとJF日本語教育スタンダード】

平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16【CEFRとJF日本語教育スタンダード】

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