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YouTube動画で試験解説(試験は実務に役立たない?)
この動画解説はただの試験解説ではありません。
日本語教育能力検定試験の勉強は
現場で教えるのに役立たないと批判されてきました。
私も新人の頃は日本語教育能力検定試験で学んだ知識を現場で使えていませんでした。
試験勉強と教え方の指導は完全に別れているので
その繋がりに気づけなかったのです。
この動画解説では、試験で学んだことを教え方に繋げます。
実際に日本語学校の授業で使用した教案も公開しています。
問題1
問1 ミニマルペア 正解率90
ミニマルペアは音素が1つ違うだけで異なる単語になるペア
ローマ字あるいは発音記号でみるとわかりやすい。
1 「aka」と「asa」 音が1つだけ違って「赤」と「朝」という異なる単語のペアになるのでミニマルペア。
2 「hashi」と「hata」平仮名でみると「し」と「た」の1字しか違わないが、ローマ字で見ると子音も母音も違うので2つの違いがあることがわかる。
3 「tamago」と「tango」 [m][a]2つの違いがある。
4 「kagami」と「kagaku」[m][i]2つの違いがある。
答えは1
問2 自由異音 正解率34
おかえりなさい。平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3C以来8年ぶりに自由異音が帰ってきました。
英語のrとlのように日本語では区別しない(どちらも「ラ」の子音)が本当は異なる音を異音といい、自由に現れることができる異音を自由異音という。
1 ザ行子音の自由異音[z]と[ð]は平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題1問2で登場している。
[dz]は「ざ」の子音、[dʑ]は「じゃ」の子音。
「ざらざら」と「じゃらじゃら」のように日本語では両者を区別するので自由異音ではない。
2 [r]も[l]も日本語では「ら」の子音。本当は異なる音だが日本では区別せずどちらも自由に使えて「ラーメン raamen /laamen)」と言えるので自由異音
3 「ン」の発音は直後の音によって決まるので自由ではない条件異音
例)「あんぽ」のように直後が両唇音のときは[m]、「あんな」のように直後が歯茎音のときは[n]
4 小さい「ッ」の音は直後の音によって決まるので自由ではない条件異音
例)「いったい ittai」のように直後が[t]のときは[t]、「いっぱい ippai」のように直後が[p]のときは[p]
答えは2
問3 学習者の母語別の誤用の例 正解率43
1 日本語の「つ」の子音は[ts]だが、英語は[ts]が頭子音(とうしいん)であまり用いられないので[t]が抜けて[s]になることがある。「月(ツキ)」を「スキ」と発音する誤用
2 日本語の「や」の子音は有声硬口蓋接近音[ j ]だが韓国語にもある(東京外国語大学「朝鮮語を知る」参照)。ザ行音[z]は韓国語にないので「ザマ」を「ジャマ」と発音する誤用がある。
一方、ベトナム語はヤ行・ザ行・ジャ行を区別しないので「山」を「ザマ」あるいは「ジャマ」と発音する誤用がベトナム語母語話者に見られる(ベトナム人日本語学習者のヤ行・ザ行・ジャ行音の知覚参照)
3 中国語では有声音無声音の区別がない(有気音と無気音の区別がある)。「ガ」と「カ」、「ダ」と「タ」は同じように聞こえる。日本人にとっての”r”と”l”と同じ。「元旦」を「カンダン」と発音する誤用が生じる。
4 ベトナム語はヤ行・ザ行・ジャ行を区別しない。ベトナム語母語話者が「増加」を「ジョーカ」と発音する誤用はある。
答えは2
問4 ローマ字 正解率70
1 訓令式は同じ音は同じ表記をするため「ダデド」の子音は「d」だが、「ヂ(ジ)」の表記は「zi」、「ヅ(ズ)」の表記は「zu」になる。一方、日本式は五十音図に基づいた表記法なので「ダヂヅデド」の子音は「d」で表記される。
2 訓令式は「h」。フの子音が「f」で表記されるのはヘボン式。
3 ヘボン式ではチの子音が「ch」、ツの子音が「ts」で表記される。訓令式はタチツテトの子音が「t」で表記される。
4 ヘボン式ではシの子音が「sh」で表記されるように、シの音声学的にサスセソと異なる子音である。
答えは4
問5 ローマ字が発音を正確に示せるとは限らない 正解率98
1 ttが続くので促音を示せている。
2 最後にnがあるので撥音を示せている。
3 「数字」を「suji」と表記すると、「すじ」か「すーじ」か分からず、長音の有無を示せない。長音は母音の上に^をつけて表わす。
4 ryで拗音を示せている。
答えは3
問題2 並列助詞と並列を表す複文
問1 並列助詞「と」「や」「か」の機能 正解率74
並列助詞と接続詞の比較が平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Cに出題されているので合わせて見ておきたい。
接続詞の他にも、接続の機能を持つ形式として、接続助詞、並列助詞がある。語と語をつなぐ場合、接続詞を用いた「黒もしくは後のペン」という表現は、並列助詞を用いて「黒か青のペン」とも言えるが、両者は文法上異なる特徴を持っている。
(15)下線部に関して適当なものは?
1 「もしくは」は三つ以上の要素を並列できるが、「か」は二者択一の場合にしか用いることができない。
2 「もしくは」は名詞、動詞、格成分など様々な要素同士を接続できるが、「か」は名詞同士しか接続できない。
3 「もしくは」は後続部との構造的な結びつきが強く、「か」は先行部との結びつきが強い。
4 「もしくは」は先行部の要素に情報の焦点があり、「か」は後続部の要素に情報の焦点がある。
「と」「や」「か」で文を作ってみる。
「と」 寿司とラーメンとカレーが食べたい:全部列挙
「や」 寿司やラーメンが食べたい:一部列挙
「か」 寿司かラーメンが食べたい:選択列挙
答えは3
名詞と名詞を対等な関係で結びつけることを基本的な働きとする助詞を並列助詞という。
・佐藤と鈴木がやってきた。
・全部列挙「と」
・一部列挙「や」「やら」「だの」「とか」
・選択列挙「か」「なり」
・累加列挙「に」
例)お弁当にビール、アイスクリームはいかがですか?
現代日本語文法①p113、現代日本語文法②p119参照
問2 「XといいYといい」「XなりYなり」「XだのYだの」「XであれYであれ」 正解率72
文を作ってみる。
1 最近は仕事やら家事やらで試験勉強の時間がとれない。
「Yやら」の後に助詞をつけることができる。
2 分からない問題は、本で調べるなり、AIに聞くなり、してください。
文末に依頼のモダリティ形式を用いることができる。
3 パーティの幹事は、いつだのどこだのと決めることが多くて大変だ。
別の疑問詞を列挙することはできるが同一の疑問詞を列挙することはできない。
×いつだのいつだの決めることが多くて大変だ。
4 行くのであれ行かないのであれ、早めに連絡をお願いします。
「XであれYであれ」は、XとYに「動詞+の」を列挙することができる。
答えは4
学びを深めたい人は現代日本語文法⑥p273〜へ。
「〜やら〜やら」
述語の非過去形に接続する。2つの事態を例示的に並列させて、1度にいろいろな事態が生じて、混乱し錯綜した様子を表す。
・去年は、親は入院するやら、息子は大学受験に失敗するやら、大変な1年だった。
・部下に慰められて、うれしいやら情けないやら、複雑だった。
・夜の冬山は暗いやら寒いやらで、1歩も歩けなくなってしまった。
「〜なり〜なり」
動詞の非過去形に接続する。例となる事態を並べる形式で、どの事態を選択するか、選択する人の自由意志に任せるニュアンスを表す。主節には行為要求や意志のモダリティ、あるいは未来の出来事が現れる。
・頭が痛いなら、薬を飲むなり、病院に行くなり、しなさい。
・迷ったら、人に聞くなり、電話をかけるなりして、なんとかたどり着きます。
「〜だの〜だの」
あまり高く評価できない事態を累加し、例示的に示す。不快や憤りを感じる事態であることが多い。
・授業がおもしろくないだの、先生が嫌いだのと言って、勉強しない。
・自分探しをするだのいろいろ経験するだのは若いときにするものだ。
現代日本語文法⑥p273〜より引用
問3 スタイルによる並列の表現の使い分け
接続表現の一覧が現代日本語文法⑦p58にあるので持っている人は要チェック。
1 「と」のあらたまった表現として「及び」を使うことがある。
2 「や」のくだけた表現として「とか」を使うことがある。
3 「と」は全部列挙。「または」は選択列挙。機能が異なるので代わりに使うことはできない。
4 「や」は一部列挙。「並びに」は全部列挙。機能が異なるので代わりに使うことはできない。
答えは2
理解を深めたい人は現代日本語文法⑦p105〜へ
「および」「ならびに」は並立の用法をもつ。
・関係者の皆様のご理解ならびにご協力に感謝します。
・リー氏の今回の来日の目的は、日本企業を訪問すること、および資料を収集することである。
「および」「ならびに」は並立助詞「と」と置き換えることが可能であるが、書きことばやあらたまった話しことばで「および」「ならびに」が用いられることがある。
また、先行部と後続部に目上の人物など、立てるべき人やものが用いられる場合は「および」は用いられにくい。
・先生方{*および/ならびに}ご来賓の皆様、本日は本当にありがとうございます。
・大学院生{および/ならびに}研究生のみなさんにお知らせです。
(中略)
「または」「ないし(は)」「もしくは」は排他的選択肢提示の用法をもつ。
・ペン{または/ないしは/もしくは}ボールペンで書いてください。
この例では、ペンで書いてもよいし、ボールペンで書いてもよいが、使ってよいのはその2つのみである。
現代日本語文法⑦p106〜より引用
「〜とか〜とか」
「とか」は「と」に「か」がついた形であるが、「〜か〜か」が、列挙された事態の中から1つを選択しなければならない形式であるのに対し、「〜とか〜とか」は、事態は例として挙げられているに過ぎないので、必ずしもその中から選択しなくてもよい。
・メールするとか、ファックスを送るとかして連絡してくれ。
現代日本語文法⑥p277より引用
問4 「〜たり〜たり」を用いた文 正解率84
文を作ってみる。
1 素敵なオムライスを食べたりメイドさんとゲームしたり、しませんか?
「〜たり」を用いた従属節を含む場合、主節は勧誘の表現を伴うことができる。
「たり」は主節の文のタイプに制約はない(現代日本語文法⑥p274)。
2 1の例の通り主題の「は」を使わない。
「たり」従属節の中に主題が現れることはない(現代日本語文法⑥p274)。
×大雨は降ったり、暴風は吹いたり、ひどい天気だった。
3 1の例のように主節が丁寧体の場合でも「〜たり」の前は丁寧体にならないのが普通(現代日本語文法⑥p273)。
4 「〜たり〜たり」が「の」を伴って名詞修飾節となる場合や、それ自体が格成分となる場合もある(現代日本語文法⑥p274)。
・まだ病気が治っておらず、寝たり起きたりの毎日だ。
・警察は門の前で、行ったり来たりをくりかえしている。
答えは1
「XたりYたり」のような対等な関係にある複数の節(複文)を並列節という。
問5 並列を表すテ形と連用形の共通ルール 正解率28
文を作ってみる。
1 連用形の直後に「ね」を後続することができない。
テ形 :先生は髪が長くてね、背が高い。
連用形:先生は髪が長くね、背が高い×
2 テ形は話し言葉に使用されやすく、連用形は書き言葉で使用されやすい。
3 従属節と主節の主語は違う場合が多い(現代日本語文法⑥p282)。
テ形 :おばあさんは山へ行って、おじいさんは川へ行った。
連用形:おばあさんは山へ行き、おじいさんは川へ行った。
4 並列の用法では、従属節と主節の事態は対等な関係にあるので、入れ替えても意味が変わらない(現代日本語文法⑥p282)。
テ形 :先生は髪が長くて、背が高い/先生は背が高くて、髪が長い
連用形:先生は髪が長く、背が高い/先生は背が高く、髪が長い
答えは4
テ形・連用形による接続を掘り下げたい人は現代日本語文法⑥p279〜へ。
問題3 引用
引用は令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Cの大問にも登場しているのでまとめて見ておきたい。
問1 「と」「って」以外の引用形式 正解率64
令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Cの問題文に答えがある。
引用において使われる表現の代表的なものには「と」や「ように」がある。
過去問を知らなくても、ヒントが下線部Aの前にある。
「言う」のような発言を表す動詞…とともに…使われる。
言うと一緒に引用形式を作ってみる。
1 べく
勉強するべく言いました×
2 みたいに
勉強するみたいに言いました×
3 ように
勉強するように言いました○
4 らしく
勉強するらしく言いました×
答えは3
引用節の旅をもっと続けたい人は現代日本語文法⑥p26〜へ。
問2 直接引用と間接引用の区別
文を作ってみる。
1 直接引用:彼は先生に「毎日勉強します」と誓った。彼は先生に「明日は雨です」と伝えた。
直接引用の引用節では「です/します」などの敬体表現が使える。
2 直接引用:先生は彼に「毎日勉強しろ」と言った。先生は彼に「雨の日も勉強しなさい」と言った。
直接引用の引用節内では「しろ/しなさい」などの命令文が使える。
3 間接引用:彼は先生に毎日勉強しますよと言った×
直接引用:彼は先生に「毎日勉強しますよ」と言った。
間接引用の引用節では「よ/ね」などの対人的な終助詞が使えない。
4 間接引用:彼は先生に明日は雨だと言った。彼は先生に毎日勉強すると言った。
間接引用の引用節では「だ/する」などの常体表現が使える。
答えは3
問3 引用節がいらない動詞
引用節が必須かどうか抜いて確認
1 学生は打ち明けた× 引用節が必須
2 花子は泣き出した○ 引用節が必須ではない
3 先輩は語った× 引用節が必須
4 太郎は思った× 引用節が必須
答えは2
問4 「と言っている」と「そうだ」の違い
1 彼は正しくないと言っている。
「言っている」は、発言の主体を主語として明示するのに適している。
2 彼は彼女が正しくないと言っている。
「言っている」は、引用節が人称代名詞を含む場合も使える。
3 彼は「彼女が正しくない」そうだ× 彼は「彼女が正しくない」と言っている。
「言っている」は、発話された形式を聞いたとおりに伝えるのに適している。
4 明日は雨が降るそうだ。
「そうだ」は、情報源を明示しなくても使える。
答えは1
問5 「と聞く」と「と思う」の人称制約
1 私は猫が好きだと聞く×
2 私は猫が好きだと聞く× 私は可愛いと思う○
3 彼は猫が好きだと聞く○ 彼は可愛いと思う○
4 彼は猫が好きだと聞く○
答えは2
問題4 使役
問1 使役形のグループ
動詞のグループについてはこちら
Ⅰグループ動詞は、書く
使役形は、書かせる -aせる
Ⅱグループ動詞は、食べる
使役形は、食べさせる -させる
答えは1
問2 無対自動詞を使役形にして他動詞の代わりに使う用法
対応する他動詞を持たない自動詞(無対自動詞)は平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(6)で登場
関連する問題として令和4年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(13)【使役文におけるヲ格名詞の意味】も押さえておきたい。
1 終わらせた
自動詞:終わる
他動詞:終える
2 着させた
自動詞:着る
他動詞:着せる
3 泊まらせた
自動詞:泊まる
他動詞:泊める
4 走らせた
自動詞:走る
他動詞:なし
答えは4
問3 使うべき使役形を使わない誤用
誤用を直してみる
1 子どもは遊びにより創造性を発達させる。
使役いる
2 目標の水準に到達することが重要だ。
使役をいらない
3 その知らせは写真をひどく動揺させた。
使役いる
4 温度や圧力などの条件を変化させて測定した。
使役いる
答えは2
問4 使役で〈強制〉より〈許可求め〉を先に学ぶ利点
日常を振り返ってみると、人に何かを強制するよりも人に許可を求める方が普通の人は多い。
わかりにくい人は〈許可求め〉と〈強制〉の例文を作ればわかりやすい。
〈許可求め〉 私にやらせてください
〈強制〉 彼にやらせます
答えは4
実際の授業でも、〈強制〉の例は学習者の身近になく、導入の談話づくりに苦労した。
問5 「撮らせて」が「撮って」になる誤用
「私にあなたを撮らせて」→「あなたが私を撮って」
「撮る」という行為の主体が変わっている。
答えは3
なお、選択肢1と2について
1 授受表現の恩恵の向かう先が変わってしまう誤用の例
「食べてくれました」→「食べてあげました」
「てくれる」の恩恵は自分、「てあげる」の恩恵は相手
2 謙譲語の敬意の向かう先が変わってしまう誤用は?
「海外に参ります」→「海外に伺います×」
「伺います」は行為の向かう先に対する敬語(謙譲語Ⅰ)。海外に敬意を向けるのは変
「参ります」は会話の相手に対する敬語(謙譲語Ⅰ)
詳しくは下記動画の3分4秒以降
答えは3
問題5 初級のクラス活動
問1 シャドーイングの留意点
令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題6ではモデル会話のシャドーイングを行う目的(正答率69)が問われているのでまとめて解きたい。
1 モデル会話と同時に全体の雰囲気を真似するのがシャドーイング○
2 難易度が高いとほぼ同時に真似できない。
3 区切るのはリピート
4 全体の輪郭を真似るのがシャドー(日本語では影)
答えは1
問2 ビルド・アップ練習法の例
ビルド・アップ練習法とは、モデルをだんだん長くする練習法。詳しくは次の問いのリンク先のパターン・プラクティス記事参照
1 未完成なモデル文を完成させるのは完成練習法
2 モデルの語を入れ替えるのは代入練習法
3 モデルを繰り返すのは反復練習法。模倣練習法、リピート練習法とも。
4 モデルをだんだん長くするのはビルド・アップ練習法。拡大練習、拡張練習、拡大ドリル、拡張ドリルとも。
答えは4
問3 パターン・プラクティスを行う際の留意点
パターン・プラクティスとは、文法を正確に使えるようにするために、同じパターンを繰り返し練習して覚える方法。文型練習とも。日本語学校の授業では基本練習としてよく行われています。
1 同じパターンの繰り返しのため同じ練習が続くと飽きる○
2 例えばモデルを繰り返す(リピート練習)というシンプルな練習法なため、どんな文法項目にも使える。練習方法を変えるのは、文法項目のためではなく学習者を飽きさせず緊張感を保つため。
3 例えばリピート練習だけだと緊張感がなくなるので、代入練習も入れたりして、緊張感を保つ。
4 機械的なリピート練習等だけでなく、学習者が意味を考える必要のある完成練習、応答練習等も繰り入れる。
答えは2
問4 ラポート・トークの例
ラポート・トークは令和3年度、令和元年度、平成30年度と頻繁に登場しているので過去問を全て解いて確実に理解しておきたい。
ラポート・トークとは、感情に働きかける話し方。自分の気持ちを述べたり共感を示したり。信頼関係を築くトーク。ラポールトークとも。
リポート・トークとは、情報を淡々と伝える話し方。リポーターの話し方。レポートトークとも。
1 日本で一番大きいという情報を伝えるリポート・トーク
2 へえと共感を示してから、相手が聞いて欲しそうな何を買ったかという質問をしているので感情に寄り添うラポート・トーク
3 川越の別の呼び名を伝えているリポート・トーク
4 別の場所からも見えるという情報を伝えるリポート・トーク
答えは2
問5 学生が自分から話したくなるよう選択権に注意する
何が好きかという回答内容は決まっていないので選択権がある。
言語形式は、「〇〇が一番好きですAさんは?」「私は○○が一番好きです」と決まっているので選択権がない。
答えは2
問題6 旅行のための日本語会話コース
問1 コミュニケーション・ストラテジーの例
令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題6問2でも【コミュニケーション・ストラテジーの例】が問われているので挑戦してみよう。
コミュニケーション・ストラテジーとは、コミュニケーションを円滑にするための工夫。
1 習った表現を現場で試してみるのは、コミュニケーションを円滑にするための工夫ではない。むしろ母国語や慣れた表現の方がコミュニケーションが円滑になるだろう。
2 友達を作って日本語を使用する機会を増やすことはコミュニケーションの前提条件。ストラテジーを使うのはその後。
3 別の表現に言い換えることでコミュニケーションを円滑にしている。
4 メモすることは目の前のコミュニケーションを円滑にするためではなくて、覚えておくため。
答えは3
問2 パフォーマンス評価を取り入れる際の留意点
令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題11問5【ルーブリックに関する記述】も合わせて解いて理解を深めておきたい。
パフォーマンス評価とは、学習者にロールプレイやエッセイなどの言語的な課題を与え、その遂行(パフォーマンス)の度合いを評価すること。
日本語教育の参照枠p80に詳しく書かれている。
日本語教育の参照枠は今後の日本語教員試験及び日本語教育能力検定試験は大切だが一人で読むのは大変。
要望に応えて以下の動画を作りました。
パフォーマンス評価の利点は以下のとおり
・ 単に、「できた・できない」だけの評価だけでなく、「何がどのくらいできたのか」について、多様な観点から評価を行うことができる。
・ 教師と学習者の双方がパフォーマンスに関する評価基準を共有することで、評価の透明性を高めることができる。
・ 学習者は与えられたパフォーマンス課題に対して、評価基準を基にした明確なフィードバックを得ることができる。
1 教師と学習者の双方がパフォーマンスに関する評価基準を共有することで、評価の透明性を高めることができる。
2 「できた・できない」だけの評価だけでなく、「何がどのくらいできたのか」について、多様な観点から評価を行う
3 複数の教師で採点することで、評価基準がより客観的になる。
4 客観テストと併用可能。
答えは1
問3 テストとしてロールプレイを行う際の留意点
1 A2レベルの学習者にネイティブレベルのスピードは厳しい。
2 メモするとロールプレイが途切れてしまうし、学習者の緊張感や不安感を高める。
3 ロールプレイで決まっているのは状況と役割なので会話は想定通りに進むとは限らない。
4 テストを中断して伝えたらテストにならない。
答えは2
問4 ロールカードに見られるパフォーマンス課題の問題点
・令和5年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題6問2【真正性の高い教室活動】
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題5問5【授業での生教材の扱い方として真正性が担保されている例】
こられの過去問も一緒に解いて理解を深めたい。
1 ロールプレイなので反応や返答についての情報は不要
2 コースの目標は「旅行先の店や公共機関などで簡単なやり取りをしたり、情報を得たりすることができる」なので、真正性は高い。
3 ショッピングでお店の人に相談する内容はまだ授業で扱っていない。
4 自分のサイズをお店の人に相談するのは、「旅行先の店」での「簡単なやり取り」といえるので課題の難易度は適切
答えは3
問5 分析的ループより総合的(全体的)ルーブリックの方が良いところ
【分析的(アナリティック)ルーブリック】
・採点基準を複数の観点(例:語彙・文法・内容・流暢さなど)に分け、各観点ごとに段階水準を設定して評価する
・観点別に点数が付くため、どこを伸ばせばよいか学習者に具体的なフィードバックが可能
・教師側は項目ごとにチェックするので採点負荷がやや高い
【総合的(ホリスティック)ルーブリック】
・課題全体を一つの尺度でとらえ、総合点や総合評価語(A‑B‑C など)を与える方式
・短時間で判定でき、複数採点者でも整合を取りやすい
・具体的にどの観点が弱いかまでは示しにくく、学習者への改善指針が曖昧になりがち
1 評価項目ごとに重み付けを変えられるのは分析的ルーブリック
2 学習者の持つ能力の強みと弱みを示せるのは分析的ルーブリック
3 採点が容易で、継続的な評価に適しているのは総合的ルーブリック
4 観点が詳細で、経験が浅くても評価しやすいのは分析的ルーブリック
答えは3
問題7 自己主導型学習の進め方のメモ
問1 学習者オートノミーの説明
オートノミー(autonomy)とは自律性、自主性。
学習者オートノミーとは、自身の学習に関する意思決定を学習自ら行う能力
答えは4
問2 学習目標と学習計画を立てる際の教師の支援
1 目標は具体的なほうがいい。
2 計画が変われば目標を変更することも。
3 自己主導型学習なので、学習者自身の関心や学習スタイルに基づいて目標を考えるよう教師は支援すると良い○
4 教師に委ねるのは自己主導型学習ではない。
答えは3
問3 自己主導型学習の実行
1 自己主導型学習では学習の進展は学習ごとに異なるので個別に話し合うのが望ましい。
2 自己主導型学習なので学習者は様々な学習活動だけでなく学習方法についても知識を広げることができる。
3 自己主導型学習なので内省(ないせい)を記録し、次回の計画を立てることが大事
4 自己主導型学習では、学習者が互いに話し合い協力することが大切。これをピア・ラーニングといい、試験に頻出するので知らなかった人は下記の記事を読むべし。
答えは4
問4 学習目標に合ったリソースの使い方
1 マニュアル本を読んでメールを書くことで、ビジネスメールが書けるようになる。
2 シナリオプレイとは、シナリオ(脚本)をプレイする(演じる)こと。大学の講義の聞き取りであれば日本人学生に講師役をやらせるよりも、YouTube動画等を用いて本物の大学の講義を聞き、それを聞き取らせたほうがよい。それがリアルガチ。
3 片仮名語を抜き出して語彙リストを作ることで、時事問題に関する片仮名語を身に付けることができる。
4 学習者同士でセリフをアフレコ(録音)することで、相手のセリフを聞いたり、録音を聞きなおすことで、イントネーションをつかみ発音を向上させることができる。
答えは2
シナリオ・プレイは平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題6問5でも出題されているのでこちらも解いておく。
問5 言語学習のためのアドバイジング
「言語学習のためのアドバイジング」なので
自分が英語を勉強する時にどんなアドバイスが欲しいか考えると答えが出る。
1 教師が考える「正しい」学習方法を押し付けられるとやる気が落ちる。
2 英語を習う時に欲しいアドバイスは「何を習うか(学習内容)」よりも「どうやって習うか(学習過程)」のはず。実際にYouTubeには英語学習の方法論を語る動画で溢れている。
3 ポジティブな表現はやる気につながる。私もそこは気をつけている。
4 目標言語でアドバイスしても完全に理解できるとは限らないので、場合によっては学習者の母国語で行うとよい。
答えは3
問題8 文法の授業について相談があります
問1 演繹的アプローチは機能的アプローチと違う短所がある件
答えは1
問2 確認テストで分かること
答えは2
問3 母語話者のコーパス
答えは2
問4 ディクトグロスで学習者にあげる文章
答えは1
問5 ARCSモデル
答えは4
問題9 グローバル化
問1 ステレオタイプ
答えは2
問2 カテゴリー化
答えは4
問3 接触したら偏見が減るのはどんなとき?
答えは2
問4 差別の例
答えは4
問5 多様性の理解を形成する効果的な方法
答えは2
問題10 外国語教育で何に重点を置くか時代によって変化した件
問1 文法を重視した指導法の例
答えは2
問2 社会言語能力の例
答えは4
問3 コミュニカティブ・アプローチ
答えは4
問4 機能シラバスの特徴
答えは1
問5 第二言語不安を緩和するために有効な教師の対応
答えは2
問題11 第二言語習得
問1 インプット仮説
答えは3
問2 明示的知識と暗示的知識
答えは3
問3 インターアクション仮説を支持する立場
答えは1
問4 最近接発達領域
答えは1
問5 ピア・ラーニング
答えは4
問題12 母語話者と非母語話者のコミュニケーションの問題
問1 中間言語の特徴
答えは3
問2 フォリナー・トークの特徴
答えは1
問3 意味交渉の例
答えは4
問4 自己修復で誤りを言い直す会話の例
答えは2
問5 母語話者と大学探検する教育的意義
答えは4
問題13 会話の授業
問1 依頼に使える文型
答えは1
問2 日本文化の謝罪の特徴
答えは1
問3 褒めやねぎらいの日本語の例
答えは3
問4 スピーチレベルが会話の中で切り替わる例
答えは4
問5 談話標識として機能する慣用的な表現の例
答えは2
問題14 言語、文化、認知の関係
問1 サピア・ウォーフの仮説
答えは4
問2 人称詞の規範的な使い方じゃない方
答えは1
問3 冠婚葬祭で特定の言葉を避けるための表現
答えは1
問4 猫が車の前にいる視点の置き方(指示枠)
答えは3
問5 話し手がより共感しやすい存在に視点を置いてない文
答えは1
問題15 日本語を学ぶ児童生徒の背景
問1 日本語指導が必要な児童生徒が多い言語(令和3年度)
答えは3
問2 日本語指導が必要な児童生徒が多い都道府県
答えは1
問3 令和6年4月の高校生に対する公的な教育支援
答えは4
問4 在外邦人の子どもへの教育
答えは1
問5 かすたねっと
答えは1
問題16 日本語能力を測定する試験(テスト)
問1 日本語能力試験
答えは1
問2 日本留学試験
答えは4
問3 日本語能力の条件
答えは4
問4 主観テスト
答えは4
問5 ジャーナル・アプローチの特徴
答えは3